嫌われ番外編
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『貴方達…誰ですか?』
あれは、ちょっとした事故だったんだ。
昼休み。
俺と山本と獄寺君は、屋上でキャッチボールをやり始めた。
「10代目、いきますよ!!」
「う、うん!!」
「それ。」
「わ、わ、わ」
獄寺君が投げたボールを、俺はギリギリで受け取った。
「ふぅ…」
「流石です、10代目!!」
「はは…」
獄寺君、まさか本気で言ってる…?
「ツナ、パス。」
「う、うん。ハイッ!!」
山本に向かってボールを投げると、山本は簡単に受け止めた。
「行くぜ、獄寺。」
「ハッ。テメェの球なんざ、簡単に止めてやるよ。」
あぁ、獄寺君の負けず嫌いが…
「そらっ。」
―ビュンッ―
「うわ!!」
山本の球は、やっぱり速くて…
獄寺君はその球を避けた。
その球はタンクの方に…
―ゴンッ―
『うぎゃ。』
「…ん?タンクの上から何か聞こえなかったか?」
山本の言う通り、俺も何か聞こえた気がした。
「まさか…誰かにぶつけた?」
「そうかもな…ヤッベ。」
俺がそう言うと、山本はタンクの方に走って行った。
「オイオイ、マジかよ…ナマエにあてちまった。」
「え。」
「はぁ!?」
俺と獄寺君が驚いていると、山本はナマエをタンクからゆっくり下ろした。
「気絶してるのかな?」
「たぶんな…コブが出来てやがる。」
「少しは投げる加減を考えろよ、野球馬鹿!!」
「はは、わりぃわりぃ。」
いや、笑ってる場合じゃないよ山本…
「ナマエちゃん、ナマエちゃん。」
『う゛…』
揺さぶると、ナマエちゃんはゆっくり目を開けた。
「あ。良かった、ナマエちゃん。」
「わりぃな、ナマエ。俺のコントロールが滑った。」
「ったく、ナマエも避けろよな。」
『……』
ナマエちゃんは、不思議そうに俺達を見た。
『貴方達…誰ですか?』