歪みのアリスin嫌われ(後編)
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『チェシャ…猫?』
横には、切られたチェシャ猫の首が転がっている。
「おや。邪魔が入りましたね。」
『邪魔って…!!』
どうしよう、チェシャ猫、あたしの事…助けてくれたんだ。
「アリス、チェシャ猫なんかの為に泣いては駄目ですよ。」
『…っく…だって…』
チェシャ猫が…
「そうだよ、アリス。僕の為に泣いたらダメ。」
『……』
…ん?幻聴?
今、チェシャ猫の首が喋っ…
「猫は、首が取れても死なないよ。」
チェシャ猫が、生きて…
『チェシャ猫!!』
あたしは、喋るチェシャ猫の首に近付いた。
そういえば、首が跳ねられたにしては血が出てない。
『大丈夫…なの?』
「うん。」
「チェシャ猫は、首が取れたくらいでは死にませんよ。」
むくれながら、女王が言うとチェシャ猫はまた怪しく笑った。
「アリス、怪我はないかい?」
『っ、はい…大丈夫です。』
チェシャ猫、優しいな…
普段の雲雀恭弥からは想像できない。
「では、アリス。今度こそ首を…」
『っ!!』
―ブンッ―
女王が、振り上げた鎌をなんとか避けた。
「アリス、避けると顔に傷がつきますよ。」
『それよりも、切られる方が嫌です!!痛いじゃないですか!!』
「クフフ、一瞬だから痛くないですよ。」
『その一瞬で死にます!!!』
チェシャ猫の首を抱えながら、逃げていたらつまずいてコケた。
―ズザッ―
『ブギッ!!』
「…アリス、早く避けないと死ぬよ。」
『え?…っ!!』
もう、遅いとわかった。
女王が鎌を目の前で振り上げていたから。
「この首は…僕のモノです!!」
『っ!!』
振り下ろされた鎌を見て、目を固く閉じた。
『…?』
また、何も起こらない。
あたしは目を開けた。
『っ!!』
声が、出ない。
女王の鎌を掴んで止めていたのはチェシャ猫の体。
「っ!!離しなさい!!」
女王がどんなに引っ張っても、その体が鎌を手放す事はなくて…