歪みのアリスin嫌われ(前編)
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―バキッ―
『…?』
体に、想像していた痛みはこない。
あたしは、そうっと目をあけた。
『チェシャ猫…』
チェシャ猫が、服屋を破壊して助けてくれた。
「…何してるの。」
チェシャ猫は、相変わらず見下して、笑っている。
…雲雀恭弥も、そこまで笑わないよね。
「あ…な、何でお前が止めんだよ!!」
動揺しながらも、反論する獄寺隼人。
…やっぱ、怖いのかな。
「ねぇ。いい加減離しなよ。」
「っ!!ハリー、離せ!!」
慌てた山本武…って、ハリー!?
「チッ…」
ハリーって、獄寺隼人の事ですか…
ハリネズミのハリー…?
「ってよぉ…アリスにせっかく会えたのに…」
『……』
せっかくだから食いたいってやつですか。
「早くどかないと…咬み殺すよ。」
「っ!!!」
さっきより、ドスの効いた声で…
流石に獄寺隼人も退いた。
「大丈夫かい、アリス。」
『…うん。』
起き上がって、服のホコリをはらった。
「…おい、ハリー。逃げるぞ。」
「ぅわっ!!おい、離せ!!」
山本武は、獄寺隼人を掴んで逃げた。
「…逃がさないよ。」
『あ、だ、駄目ですよ!!逃してあげても良いじゃないですか!!』
「…何で。」
何でって…
他人とはいえ、一応顔とか知ってる人だし…
(悪い事だけど)悪気はなかったわけだし…
『ふ…服を、譲ってくれたから良いじゃないですか。』
「…ふぅん。」
少し、納得してない様子で雲雀恭弥…じゃなくて、チェシャ猫はあたしをまた肩に乗せた。
『…何処に行くの?』
「何処へ行きたい?」
『…帰りたいけど、その前にもとの大きさに戻りたい。』
このままじゃ、いつか踏まれちゃう。
あ…でも、リボーンを見上げられる…?
「そうか…じゃあ、これをお食べ。」
そう言って、チェシャ猫はあたしの目の前に人の指のような物を出した。
『…指は食べない。』
「パンだよ。」
あぁ、さっきのパンみたいなやつか。
…何で、こう気持ち悪いパンなの。