歪みのアリスin嫌われ(前編)
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「待たせたな、アリス。」
そう言いながら、運んで来たのはこの室内にしては少し大きな箱。
「じゃあ、これを着てくれよ。」
山本武に渡されたのは赤いエプロンドレスのような可愛らしい服だった。
『…ありがとうございます。』
ちょっと、あたしには似合わないと思ったけど、贅沢は言えない。
「じゃあ、こっちで着替えて来いよ。」
獄寺隼人に押されて、あたしは試着室に入った。
『…可愛すぎ。』
ぽそり、と呟いてあたしはその服を着た。
―シャッ―
『あの…服、ありがとうございました。』
「おっ。やっぱアリスはその服だよなー」
「似合ってるっすよ!!」
『はは…』
何だか、フレンドリーに接されると恥ずかしい。
別の人なのに、同じ顔・声で言われるし。
『えっと…お金、本当に良いんですか?』
こういう服って、高い…と思う。
「良いんすよ!!」
「アリスは気にすんなって。」
『あ…ありがとうございます。』
この二人といた方が、安全な気がする。
「そのかわりー…」
『?』
山本武が、言いにくそうにもごっている。
「アリスの腕を、俺達にください!!」
無邪気に笑う、獄寺隼人の手には大きなハサミがあった。
『…え?』
腕?何?
「アリスの肉は絶品なんスよ!!」
「まぁ…そういう事なんだわ。」
―ガンッ―
『ぅあっ!!』
山本武に、床に抑え付けられた。
『っ、やだ!!腕なんて切ったら痛いじゃないですか!!』
「じゃあ、指でも…」
『駄目です!!!』
そう言っても、ハサミはあたしの腕にあてられた。
『っ!!やめて!!あたしなんか食べても美味しくない!!』
「いや、アリスは美味しいだろ。」
あっさりと山本武に否定されてしまった。
だから、あたしはアリスじゃ…
「じゃあ、いきますよ。」
『っ!!』
獄寺隼人が、狙いを定めた。
あぁ、終わりだ…
あたしは、目を固く閉じた。