歪みのアリスin嫌われ(前編)
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獄寺隼人(ハリネズミ)に連れて行かれたのは、どうやら服屋みたいだ。
…こんな所、学校にあったっけ?
そこの扉は小さく、あたしと獄寺隼人が通れるくらいだった。
…室内も狭いって事は、チェシャ猫には外にいてもらわなきゃ。
『チェシャ猫。貴方はここで待ってて。』
「…どうして?」
あ…不満そう。
「お前なぁ、アリスの言う通りにしろよ!!」
獄寺隼人がそう言うと、チェシャ猫は不満そうに
「僕らのアリス、君が望むなら。」
また、そう言った。
僕らのアリスって…何?
「ささっ、アリスも入れよ。」
獄寺隼人に言われた通り、あたしはその服屋へ入った。
『お邪魔しまーす…』
中は、思ったより広いけどやっぱりチェシャ猫が入るには狭かった。
「随分遅ぇな。」
奥から出てきたのは…
『山本、武…?』
「ん?誰だ、この女。」
山本武はあたしの目の前まで来た。
「おまっ!!アリスに近づいてんじゃねぇよ!!」
獄寺隼人には言えない事だ…
「…アリス?お前、アリスなのか!?」
肩をガシッと掴まれた。
『え…あたしは「アリスに決まってんじゃねぇか!!猫と一緒にいたんだぜ?」
訂正しようとしたら、獄寺隼人の言葉がかぶった。
「だったら、アリスに間違いねぇな!!」
山本武も、爽やかに笑ってて…
何だか、訂正しにくい。
「おい。アリスの服を用意するぞ。」
獄寺隼人がそう言うと、山本武があたしから離れた。
「あぁ、そうだったな。アリスにピッタリの服があるんだ。」
服を用意してくれるのは嬉しい…
でも…
『あたし、お金を持ってなくて…』
そりゃあ、そうだ。
財布なんて初めから持っていなかった。
「金なんていらねぇよ!!ちょっと待っててくれ!!」
山本武は、また爽やかにそう言うと、獄寺隼人と奥へ行ってしまった。
『良い人たち…なんだよね?』