歪みのアリスin嫌われ(前編)
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「僕の肩に乗らないのかい、アリス。」
『…結構です。』
何処か、逃げ出すチャンスを見付けなきゃ…
あたしは、チェシャ猫の肩に乗らないで歩いた。
…やっぱり、チェシャ猫はついてくる。
『…ん?』
前方に、見覚えのある人がいた。
『っ、獄寺隼人!!』
「…あ?」
良かった、人に会えた。
あたし、一人なんかじゃない!!
だって獄寺隼人も同じくらいの――…
『…何で、獄寺隼人も小さいの?』
だって、可笑しいよね?
あたしは縮んだから、獄寺隼人はチェシャ猫くらいの大きさな筈…
「誰が獄寺隼人だ。俺はハリネズミだ。」
制服の上に、エプロンを身に付けた獄寺隼人が睨みながら言った。
『…ハリネズミ?』
確かに、その髪型は針を連想しなくもないですよ。
チェシャ猫を見ると、さっきまでの怪しい笑みは消えて無表情になっていた。
「…ん?」
獄寺隼人は何かに気付いたのか、あたしの目の前まで来た。
―くんくんっ―
『わっ!!な、何ですか!?』
獄寺隼人が、いきなりあたしのにおいをかいで来た。
…臭いのかなぁ
「…アリス?」
『え?』
つい、反応して振り向くとついさっきまで睨んでいた目付きはなく、獄寺隼人の笑顔があった。
「おかえり、俺達のアリス!!」
『ぅわつ!!!』
まさか、獄寺隼人に抱擁をされるとは思わなかった。
く…苦しいっ
「…早く離さないと、咬み殺すよ。」
「っ!!!」
聴き覚えのある、台詞が聞こえると獄寺隼人はあたしからスグに離れた。
『……』
チェシャ猫の方を見ると、相変わらず見下している。
「えっと…アリス!!服!!服がいるだろ?」
獄寺隼人は、焦っていたけど思い出したかのように聞いてきた。
『えっと…はい。』
服は、欲しい。
「アリス用の服があるんだ。一緒に来てくれ。」
『あ、はい。』
腕をグイグイと引っ張られ、歩いた。
『……』
「何だい、僕らのアリス。」
チェシャ猫は、相変わらずあたしの後ろをついてきた。