歪みのアリスin嫌われ(前編)
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「じゃあ、行こうか。」
―ひょいっ―
『うがっ!!』
ハンカチをちょいっと摘まれて、あたしは雲雀恭弥の肩に乗せられた。
…ハンカチがポロリっていったらどうしてくれるんだ。
『……』
「何だい、アリス。」
『…本当に雲雀先輩じゃないの?』
「本当だよ。僕はチェシャ猫だ。」
…うーん。
どう見たって、雲雀恭弥にしか見えない。
「…アリス。」
『は、はいっ!!』
いきなり呼ばれたから、驚いた…って、だからあたしはアリスじゃないってば!!
「ここからは僕から離れたらダメだよ。君は美味しいから。」
『…え?』
よく、理解できない。
「ついたよ。」
『…え?』
目の前は…壁?
「アリス、下をご覧。」
『…下?』
雲雀恭弥…じゃなくて、チェシャ猫の肩から落ちないようにあたしは下を見た。
『扉だ…』
そこには、小さな扉が一つ。
今の大きさなら通れる…かな。
『この向こうに服があるの?』
そう聞くと、チェシャ猫はあたしを肩から下に下ろした。
扉を開けると、向こうも校舎の中で、階段があった。
『…また誰もいない。』
さっきっから、誰にも会わない。
怖いくらいだ。
「僕らのアリス、扉にお入り。」
あたしを見下すチェシャ猫は、やっぱりよく知っている雲雀恭弥の顔だ。
…待って。
あたしが、この扉を通れてもチェシャ猫は通れない…よね?
って事は開放される!!
『えっと…じゃあね!!!』
「……」
―バタンッ―
想いっきり、扉を閉めた。
『ふぅ…これでひとまず安心…』
「どうしたんだい、アリス。」
『っ!!!』
扉を思いっきり閉めたはず…
そもそも、チェシャ猫の大きさでは此処は通れない。
『なん、で…いるの…?』
チェシャ猫は、あたしのすぐ後ろにいた。
「…?僕はいつでもアリスの側にいるよ。」
不思議そうに、首を傾げながらチェシャ猫は答えた。
…そんな、当たり前みたいに…