歪みのアリスin嫌われ(前編)
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状況が、急すぎてわからない。
「おいで、僕らのアリス。」
目の前にいる雲雀恭弥はとても大きくて
周りの風景も大きくて
…あたし、縮んだ?
『あの……っ!!!!』
あたしは、驚きすぎて声が出なかった。
だって…あたし、全裸…
『み…見ないで!!』
あたしは一応、あたしの上に被っていた布の中に隠れた。
「…何で?」
『な、何でって…恥ずかしいからに決まってるじゃないですか!!!』
「ふぅん…」
一瞬、不満そうな声が聴こえたけど
「僕らのアリス。君が望むなら。」
そう言って後ろを向いてくれた。
…何だか、雲雀恭弥にしては素直だ。
『絶対にこっち見ないでくださいね!!!』
「うん。」
よし、雲雀恭弥ならきっとこっちを見ないだろう。
あたしは、あたしを覆っていた布から出た。
『……』
よく見ると、それはさっきまであたしが着ていた制服だ。
『…ハンカチハンカチ。』
スカートの位置まで(全裸で)移動して、ポケットからハンカチを出した。
『…よしっ。』
それを何とか体に巻いた。
「もういい?」
『…だ、だめ。』
落ち着け、自分。
よく考えて。
雲雀恭弥の言う通りに動いて良いの?
だって、今潰されたら死んじゃう。
…逃げようかな。
あたしはそーっと音を立てずに動いた。
「何処へ行くの。」
『ひっ!!』
雲雀恭弥は、後ろを向いているのに、あたしの動きがまるでわかっているみたいだ。
『だって…雲雀、先輩…おかしいよ…』
「…だから、チェシャ猫だよ。いい加減覚えて。」
何なの、チェシャ猫って!!
「ねぇ。」
『…え?』
「服、欲しくない?」
『ほ、欲しいです!!』
服、という言葉に反応して雲雀恭弥の方に振り向いたら…
「じゃあ、行こうか。」
雲雀恭弥の何とも言えない黒い笑みが目の前にあった。
『……』
あたし、どうなっちゃうんだろ…