歪みのアリスin嫌われ(前編)
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『シロ、ウサギ…?』
その、不愉快って言い方あたりが、雲雀恭弥そのものな気が…
「アリス、これを食べて。」
そう言って雲雀恭弥はあたしに何かを差し出した。
『っ!?こ、これ…人の腕っ!?』
怖い人だとは思っていたけど、まさかこんな事をする人だったなんて…っ!!
「ホラ。早く食べて。そうしなきゃ、アリスには通れない。」
通れないって、意味がわからない。
『いっ…やだっ!!』
―ガラッ―
あたしは、後ろの扉を開け、図書室を出た。
―ドンッ―
『ブッ!!』
走って逃げようとしたら、後ろから何かと一緒に前に倒れた。
『イタタ…;;わっ!!』
また、大声を出してしまった…
「アリス…ホラ、少し食べれば良いんだ。」
目の前に、腕を持った雲雀恭弥が…
『嫌です!!絶対に食べない!!!』
「…そりゃあ、僕より不味いけど…」
雲雀恭弥は美味しいの!?
…そうじゃなくてっ
『あたし、殺しはできても人は食べれません!!!』
「人じゃないよ。食べてみれば?」
『ムグッ!!;;』
口の中に、無理矢理腕を入れられた。
『んーっ!!!』
暴れてみるけど、雲雀恭弥の力は半端ではない。
『んっ…んぐっ…っ!?』
口の中で、指が溶けるのがわかる。
指って…こんなに脆いっけ?
―ゴクッ―
『…飲んじゃった。』
人の指は、柔らかくて甘かった。
…おかしいよね?
指が甘いなんて…
『これ…パン?』
「そうだよ。」
雲雀恭弥は当たり前のような顔をしていた。
…馬鹿にしてるのかな。
それにしても…イチゴジャムパンだ。これ。
『…うっ』
急に、視界が歪む。
もしかして、毒とか入ってたんじゃ…
『あっ…雲雀、先輩っ』
「僕はチェシャ猫だよ。」
そう言うと、雲雀恭弥が何だか大きくなったような気がした。
「良かったね、アリス。それで通れるよ。」