嫌われ番外編(骸夢)
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『あの、骸さん。お茶でも飲みますか?』
「ペットボトル以外のお茶でお願いします。」
『…すみません、ないです。』
手にしたペットボトルを、冷蔵庫に戻してあたしは六道骸と少し距離を置いて座った。
「ナマエ。」
『はい。』
「僕、戸締まりはしっかりするように言いましたよね?」
『…はい。』
少し、難しい顔をしながら六道骸は立ち上がった。
―シャッ―
「まず、帰ったらすぐにカーテンをしめた方が良いですよ。嫌でも、外から見えますから。」
嫌でもって…
―カシャッ―
「あと、家に入ったら鍵だけではなくてチェーンもかけなさい。」
命令だし。
「自分は大丈夫だと思っている人に限って、急に襲われるんですよ。」
『……』
「少しは自覚したらどうですか、ナマエ。一応貴方も女だということを。」
『…はい。』
背中を向けて、話す六道骸は
今、どんな顔をしているんだろう。
『あの、骸さん。』
「何ですか。」
『あの、間違ってたらごめんなさい。』
「…何ですか。」
『今日来てくれたのって、もしかして…痴漢の噂を聴いたからですか?』
―ドサッ―
視界が、回った。
『骸、さん?』
「本当に馬鹿ですね、ナマエ。」
六道骸に、押し倒されたんだ。
「貴方は女で、僕は男だということを…忘れないでください。」
『っ!!』
顔、ギリギリの所で、それだけ言うと六道骸はあたしの上から退いた。
「少し…長居しすぎたみたいですね。帰ります。」
『……』
「僕が出たらすぐに、鍵を閉めてチェーンを掛けてくださいね。」
そしてまた、六道骸はあたしに背中を向けて玄関へ行った。
『骸さん…今日は、本当にありがとうございました。』
「別に、ナマエの為にしたわけじゃないです。では、お邪魔しました。」
そして、六道骸は帰った。
『……』
六道骸は今日、本当に散歩だけだったのかな。
『…まぁ、良いか。』
その日からあたしはチェーンをかけるようにした。
終わり