嫌われ番外編(骸夢)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
暗い、夜道を
六道骸はただあたしの腕を引いて歩いた。
『あの。』
「何ですか?」
六道骸は、あたしの顔を見ないで、ただ歩いて答えた。
『どうして、あたしの家の方向を知ってるんですか?』
「……」
『ブッ。あの、いきなり止まらないでください。』
六道骸の背中に、ぶつかっちゃったし…
「極秘です。」
『…はぁ。』
それだけ言うと、六道骸はまたあたしの腕を引いて歩いた。
『あの。』
「何ですか?」
『黒曜から並盛まで、結構距離があるのに…随分遠い散歩なんですね。』
「…うるさいですよ。」
『す…すみません。』
どうして、あたしが怒られてるの?
「ナマエは馬鹿ですね。」
『は?』
相変わらず、六道骸はこっちを見ないで、ただ歩いている。
「馬鹿ですよ。もう、馬鹿しか言いようがありません。」
『何ですか、いきなり。』
失礼な人だ。
「怖かったくせに。何故、泣かないんですか。何故、僕に助けをもとめなかったんですか?」
『……』
怖かった…?
あぁ、さっきの変態の事かな。
「最近、よく出ると噂では聞いていました。」
『そうですか。』
「暗闇は、顔が見えづらくなるので、いくらナマエでも危ないですよ。」
『…失礼な。』
「さっきみたいに、相手も一人とは限らないんですよ。」
六道骸は、まだこっちを向かない。
『あ、の…骸さん。』
「何ですか。」
『怒っているんですか?』
「……」
『わっ、と、と。』
また、急に止まったけど、今度はぶつからなかった。
『あの…骸さん?』
「……」
ただ、こっちを向かないで六道骸は立ち止まっている。
『その…助けてくださり、ありがとうございました。本当は、凄く怖かったんです。』
「…そうですか。」
その時、振り向いた六道骸の顔は
夜の暗さと月の明るさに負けないくらい、綺麗な笑顔だった。(元が良いしね。)