嫌われ番外編(犬夢)
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『……遅い。』
すぐそこなのに、もう10分くらい戻って来ない。
まさか、迷った?
あたしは、自動販売機に行ってみた。
『…いない。』
何処に行っちゃったんだろう。
まさか、帰っちゃったのかな?
「だから、さっさと寄越せびょん!!」
「ちょっ、やめっ!!」
『……』
奥で、犬の声が聴こえた。
『犬ー?何をして…』
あたしは、言葉が出なくなった。
「あ、ナマエー。待っててくらさい、今金作るれすから!!」
「た、助けてください!!」
そこには、明らか塾に月謝を持って行きますって感じの中学生男子の胸ぐらを掴んで、脅す犬の姿があった。
『犬…何をしているんですか?』
「俺、よく考えたら金持ってないんれすよ。いつも千種が管理してるんれすっ。」
『だからって、他人からお金を盗ろうとしたらダメですよ!!ホラ、離してあげてください!!』
「キャンッ!!ナマエ!?」
「ヒィィィッ!!!」
中学生男子は、犬から解放されると、いそいで逃げて行った。
『犬、飲み物はあたしが払いますから、座って待っててください。』
「…うぃ。」
―ピッ―
―ガゴンッ―
二人分の飲み物を買って、あたしは犬がいるベンチへ向かった。
『犬、どうぞ。』
「…ありがとうれす。」
気まずそうに犬は、飲み物を受け取った。