隣町
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「本当に、殴って良いの?」
「構いません。」
「遠慮はするなよ。」
「…うん。」
10代目が、拳をつくる。
「いくよ。」
『……』
みんな、息を呑む。
早くしないと授業も終わるし、先生達が来る。
『10代目?』
「ご…ごめん。やっぱ、無理。」
「10代目…」
10代目は笑った。
無理だと。
「殴りたくないよ。仲間を、殴りたくない。」
「でもツナ、俺は…!!」
山本武が、10代目の肩を掴む。
納得出来ないみたいだ。
『本当に良いんですか?』
「うん。良いんだ。また、仲間になれて良かった。」
優しい優しい10代目。
きっと、沢山傷ついたのに。
「でも、10代目!!」
『もう良いじゃないですか、獄寺隼人。』
だって、10代目は今…本当に嬉しそうなのだから。
「その…ツナ、また俺達と仲良くしてくれるのか?」
「当たり前だよ。山本も、獄寺君も…俺の大事な仲間なんだ。」
10代目が両手を差し出すと、山本武と獄寺隼人は握手するように、その手をとった。
『…美しい』
10代目達の友情が、3ヵ月前に戻った。
…いや、きっとそれ以上に深くなったんだ。
『……』
10代目が羨ましい。
どうしてそんなにも簡単に、許せるの?
あたしは、一瞬でも…10代目達を恨んでしまった。
10代目にぶつけてしまった。
10代目だって辛かったと思う。
なのに何故、あんなに優しいんだろう。
「ナマエちゃん。」
『はい。』
「本当に、ありがとう。」
10代目も山本武も獄寺隼人も、あたしに笑顔を向けて感謝している。
感謝、しないでほしい。
あたしはいつから、そう卑屈になったんだろう。
『いえ。でも、やはり10代目達が一緒にいないのは、とても違和感がありましたよ。』
「あはは。そっか。」
「なぁツナ。これから授業に行っても叱られるしよ。もういっそ、次の授業もサボらねぇか?」
「そうっスよ10代目!!サボりましょう!!」