仲間
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「ナマエちゃん、退院おめでとう。」
『10代目のお母さん…お迎え、ありがとうございます。』
10代目が最後にお見舞いに来て、1週間が経った。
傷は大分回復して、今日が退院の日。
10代目のお母さんが、迎えに来てくれた。
「ツナったら、来てくれても良いのに…ごめんね?」
『いえ、この時間じゃあ学校だから仕方ないですよ。』
10代目は本当に、学校に行ったのだろうか。
「ふふっ。今日は、リボーンちゃんに引っ張られて行ったのよあの子。」
『それは…10代目も大変ですね。』
リボーン、容赦ないな。
『例え今日が休みでも…10代目は来ません。』
「え?」
『あたし、10代目に酷い事言っちゃいましたから。』
あたしはあの日、何か興奮でもしていたのかな。
退院するまでの1週間、段々気持ちが落ち着いてくると同時に後悔が生まれた。
10代目はきっと、泣いていた。
少なくとも、あたしを仲間だと思ってくれていたんだ。
そんな10代目の気持ちを考えないで、あたしは――…
「大丈夫よ。」
『え…?』
10代目のお母さんが、にっこり笑った。
「沢山迷いなさい。まだ若いんだから。」
『……』
母親って凄いな。
何も知らない筈なのに、何でも知ってそう。
そして、優しい。
10代目は、素敵なご両親に育てられたんだ。
だから、10代目もあんなに優しいんだ。
「それにしてもナマエちゃん…どうして制服を着ているの?」
『あ…これから、学校に行こうと思って…』
リボーンが一緒にいるなら、丁度良い。
「ふふっ。わかったわ。じゃあ、荷物は私が持ち帰っておくわね。」
『え、いえ、大丈夫です!!持って行ってから学校に行くつもりなので。』
「良いのよ。行ってらっしゃい。」
『10代目のお母さん……ありがとうございます!!』
頭を下げて、走った。
一度止まって振り返ると、10代目のお母さんはまだ、あたしに笑顔を向けている。
『行ってきます。』
それだけ言って、あたしはもう振り返らずに走った。