本当は
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『首はもう、大丈夫ですか?』
「え?」
コンパスの針が少し刺さった首。
その傷のところには、絆創膏が貼ってある。
「首は…うん、大丈夫。」
『良かった』
あたしは、10代目から顔を反らして窓を見た。
『六道骸に、言われました。』
「…何を」
『あたしが、10代目達を恨んでいると。』
「えっ!!」
『勿論、否定しました。』
あたしの言葉に、10代目は安心したらしい。
ため息をついて、椅子にまた座った。
「ナマエちゃんが…謝る事なんて、ないよ。」
『……』
「六道骸がどうして俺の体を乗っ取ったか知らないけどさ、ナマエちゃんは…何も悪くない。」
『……』
「俺さ、ナマエちゃんよりも全然弱いし、頼りないけど…前みたいに辛い思いはさせたくないんだ。」
『…優しいですね。』
「そんなっ」
10代目は優しい。
いや、10代目だけじゃない。
『みんなっ…優しいのに…っ』
初めて自分を殺したくなった。
初めて自分をここまで醜いと感じた。
「…ナマエちゃん?」
『10代目…ごめんなさい』
ごめんなさいごめんなさいって呟きながら、膝を抱えた。
10代目は、あたしの背中をさすってくれている。
「ナマエちゃん、どうしたの?」
『あたし…いつも、本当は助けられた。でも、助けれないフリをしていました。』
「何言って…」
雲雀恭弥に襲われていた時、本当はもっと早くあたしは10代目のもとへ行けた。
窓から落とされる時、あたしはあんな男子くらい、退かせた。
獄寺隼人が10代目を殴っていた時、もっと早く止められた。
全て、やらなかった。
『10代目っ…ごめんなさい、あたしは…』
「…ナマエちゃん?」
『あたし…貴方を…恨んでいました。』
続く