本当は
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―カラーン―
『そん…な…』
「……」
握れない。
クナイが握れない。
『待って…まだ、傷が完治してないから。包帯さえ取れれば…』
「ナマエ。聞け。」
リボーンを見ると、とても真面目な顔をしていた。
「シャマルが言うには、握力は回復する。生活にはあまり支障は出ない。」
『……』
ホッと、安心した。
何だ。
回復するんだ。
「だが、忍びの仕事は…もう出来ない。」
『……』
…え?
『リボーン?どういう意味?』
「そのままだ。握力は、少ししか回復しないらしい。」
『……』
仕事が、出来ない?
『いやだ…』
「ナマエ。」
『嫌だ嫌だ嫌だ!!』
左手で頭を抱えた。
あたしが悪いのに。
あたしが弱いから、傷を負ったのに。
『右手が無くても大丈夫。あたし、戦えるから…お願い…』
「……」
『あたしを…捨てないで…』
リボーンの側で戦えないなんて嫌だ。
存在理由がなくなる気がする。
捨てないで、捨てないでって呟きながら泣いた。
「ナマエ。落ち着け。」
『った』
額にでこピンをされた。
「捨てたりしない。ナマエは俺の側に居れば良い。」
『…同情?』
「いや」
あたしの唇に、リボーンの唇が重なる。
「愛情、だ。」
『リボーンっ』
そうだ。
前の任務で誓ったじゃない。
リボーンの愛を、疑わないって。
『それで…10代目は今、どうしてる?』
「学校……と言いたい所だが、たぶんサボってるな。」
『そう。』
「今日、学校が終わる頃の時間にここに来る。」
『…あたしが気を失っている間、10代目の人格に異変は?』
「いや。ずっとツナのままだ。」
『そう…なの…』
リボーンを強く強く抱きしめた。
本当はリボーンも、任務の終わりを言いたいんだと思う。
でも、あたしの気持ちを察してくれてるんだ。
このまま、時間が止まれば良いのに。