真実
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『…10代目?』
背中に、10代目の重みを感じる。
乗られてるよ。これ完璧。
『あの…10代目…』
―ドクン、ドクン―
心臓の音が、床を伝って聴こえる。
10代目の顔が見れない。
『貴方は…どっちですか?』
10代目?
それとも、別の…
「…フフッ」
『っ、』
「…フフフ」
あぁ、あぁ、
この人は10代目じゃない。
この重い空気は、もうひとつの人格だ。
『あの、10代、目……』
振り返り、10代目の顔を見ようとした。
それよりも先に、10代目の手に目が行った。
『10代目、何故…』
何故、手にコンパスを?
―グヂュッ―
コンパスが振り下ろされた瞬間に響いた、酷い音。
『ぁ…ぁ…』
今度は、顔を下に向けるのが怖くなった。
でも、手からの痛みから、あたしはゆっくり右手を見た。
『―――っ』
コンパスの針が、手に…手の項に刺さっている。
まだ貫通はしていないものの、10代目が力をいれる度に針が、あたしの中を突き進む。
『い…い゛やぁぁぁぁぁっ!!』
叫んで暴れても、10代目はビクともしない。
それどころか、暴れたせいで針を動かしてしまった。
『や、ひっ、いや…』
自分で、何を言いたいのかわからなくなってきた。
手から流れ出た血が、頬にあたる。
目眩が、する。
『じゅ…だい…め…』
背中に、足に…あたしの全身に乗っている10代目。
どうしてあたし、退かせられないんだろ。
「…フフッ。フフフ…」
『うっ…じゅう…だい…』
「クハハハハハッ!!!」
―ドクンッ―
特徴のある笑い方に、胸が騒いだ。
そんな、そんなまさか―――…
「クフフ…お久しぶりですね。ナマエ。」
『六…道…骸…』
姿は10代目だ。間違いない。
ただ、片目だけが紅く…あの六という文字が入っていた。
続く