弱者
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『獄寺隼人、落ち着いてください。』
あたしが10代目の前に出ると、獄寺隼人はあたしから目を反らせた。
「ナマエには…関係ねぇだろ。」
『いいえ。10代目に手出しするなら、許しません。』
「あぁ?」
獄寺隼人が、あたしを睨む。
あたしも、睨み返した。
「あ、あの、ナマエちゃん。いいよ、もう。」
『10代目?』
「俺…授業に戻るよ。ここは獄寺君が先に居たんだし…だから、俺なんかの為に、睨み合わないで?」
『そんな、10代目!!』
「獄寺君…ごめんね。」
―ダッ―
あたしの声を無視して、10代目は走って行った。
「ナマエ。お前も、もう見たんだろ?10代目が…10代目じゃなくなった瞬間を。」
『…はい。』
あたしは、10代目がおりて行った階段を見つめたまま答えた。
「だから俺だって、山本だって言っただろ!!あれはもう、俺達の知ってる10代目じゃねぇんだ!!」
『…だから?』
「は?」
『10代目が優しい顔をしているからって…つけあがらないでください。今の貴方達は、あたしには勝てない。』
「なっ!!…んだとっ。」
『前の貴方達には、守るものがあったから強かった。でも、今は自分の事で精一杯…そんな貴方達なんて、あたし一人で十分倒せる。』
「何が…言いてぇんだ。」
―ガンッ―
「う゛っ!!」
獄寺隼人の襟を掴み、壁に押し付けた。
『10代目を傷付けるつもりなら…覚悟しろって意味ですよ。』
「くっ」
手を離すと、獄寺隼人は床に膝をついた。
『…皆さんと仲良くいたいのは、あたしも…10代目も、同じなんですよ。』
さて。
あたしは、10代目を追わなきゃ。
「待ちやがれ。」