弱者
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結局、あたし達が目指しているのは…
「屋上かぁ。」
階段をゆっくり上がりながら、10代目は呟いた。
『まぁ、屋上に出なくても、踊場あたりならさぼれるし、雨はしのげますよ。』
「なんか、ナマエちゃんってたくましいよね。」
誉め言葉?
呆れてる?
『でも10代目、本当に良かったんですか?日本には、進学するために単位が必要だと聞いてますが…』
「うーん…今は、そういう単位とか考えていられないかな…普段から考えてないし。」
そうか。
そういうものなのか。
『もう少しで屋上、つきますね。』
2、3段下にいる10代目に、手を伸ばす。
10代目は、少し照れながらもあたしの手を握ってくれた。
『…友達と授業サボるの、初めてです。』
「え?」
『過去に獄寺隼人や…時々雲雀先輩が側に居ることはありましたが、あの頃は友達としてではない。
友達とサボるのは、10代目が初めてですよ。』
「あ…お、俺も!!俺も、女子とサボるの…初めてなんだ。
それどころか、サボるっていうのも初めてだし…」
『じゃあ、お互い初めてですね。』
「…うん、そうだね。」
任務なんて忘れて、和んでしまいそう。
そう思いながらも、あたし達は屋上についた。
『よいしょっ。』
「ナマエ…?」
あ。
先客がいたんだ。
『獄寺、隼人。』
「ご…獄寺君。」
「…っ」
獄寺隼人は、10代目から目をそらした。
それは、どういう気持ちからなんだろう。
『獄寺隼人もサボリですか?』
「あぁ、まぁ…」
「あ…あの…獄寺君。」
10代目が、獄寺隼人に手を伸ばした。
―パシンッ―
「…何だよ、今更。」
「っ、」
獄寺隼人は10代目の手をはらった。
まさか、こんなふうに10代目を見る人になるなんて…