弱者
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『10代目、ホラ、走らないと遅刻しますよ!!』
「ゼーッ、ハーッ、は、走ってるよ!!ナマエちゃんが、速すぎるんだ、よ…」
あたしが時々振り替えると、息切れをしながらついてくる10代目。
そうだ、10代目は運動が苦手だった。
「あ、あと、3分…も、間に合わな…い…」
『確かに、10代目のスピードでは間に合いませんね。』
―フワッ―
「うわっ!!」
あたしは、10代目を横抱きにして走った。
『スピードを上げます。ちゃんと捕まっていてくださいね。』
「え、ちょっと、待っ…うわぁぁぁぁぁっ!!!」
―キーンコーンカーンコーン―
あたしと10代目は、ギリギリ下駄箱についた。
『ふぅ…あとは、教室まで走れば間に合いますよ。』
「……」
『…10代目?』
「……ぷっ。」
『え?』
「アハハハッ!!凄いよ、ナマエちゃん…何で屋根とか塀の上走れるの。
しかも、俺を抱いたまま!!
走りも速いし、あっという間に着いちゃった。」
『……』
そこまで言われると、照れる。
あたしはただ、当たり前の事をしただけなのに。
『それよりも10代目、そろそろ行かないと…』
「嫌だよ。」
『はい?』
嫌だよ、って言われてしまった。
しかも、笑顔で。
『えっと…』
「だって、さ…俺が行ったらまた…皆、気分悪くなるんじゃないかな。」
『そんなっ』
そんなことない、なんて言えない。
それはただの気休めにしかならないから。
『10代目。』
「……」
『皆さんと仲直りするチャンスを、自ら失う事になりますよ?』
「わかってる…わかってるよ。でも……」
『怖い、ですか?』
「…うん。」
弱々しくて、泣きそうな10代目。
あたしは10代目に、何をしてあげられる?
『わかりました。では、授業をサボりましょう!!』
「え゛。」