笑顔
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「お、俺…記憶は無いけど、皆を傷つけてるんだ。
山本まであんなに怒るなんて…もう、嫌だよ。
京子ちゃんにまで何かして…自分が、許せないよ!!」
『……』
記憶に無いと、10代目は泣いた。
あたしは、もう一人の10代目に会った事がある。
10代目は、その事も覚えていない。
『10代目…仲間の誰かがもし貴方を傷つけたら、あたしはその人を怒ります。』
「……」
『そして、10代目がその人を許しても…あたしは、その人を許しません。』
「ナマエちゃん…」
『でも、もし…その人が10代目に謝ったら、あたしはその人を許します。』
「……」
『10代目がその人を好きなように、きっとあたしもその人が好きだから。』
「……うん。ナマエちゃんはきっと、そういう人だね。」
少し落ち着いたのか、辛そうに…少し悲しそうに、10代目は笑う。
『皆さんもきっと、そうですよ。』
「え?」
『10代目の事を、心から恨んでいる人なんていません。
ただ、あたし達の年齢には少し難しくて…
原因を見つけて謝れば、きっと皆さん許してくれます。』
「そう…かな…」
『そうですよ。』
「そうだと…良いな。」
少しの間を置いて、10代目が照れ臭そうに笑った。
あぁ、あたしにも…人を笑顔にすることができるんだ。
『では、帰りましょう。もうすぐで夕飯の時間です。』
「って、何で俺おぶられてんの!?」
え、今更?
「下ろして下ろして!!歩けるから!!」
『駄目ですよ、無理しちゃ。もしかしたら足を痛めてるかもしれません。』
あたしが気にせず歩き続けると、10代目が慌てる。
周りから見たら変な光景だ。
「ホント、恥ずかしいから下ろして!!皆見てるから!!」
『アハハハッ!!』
「ナマエちゃん!!」
あたしも、人を笑顔に出来る。
それがわかっただけで、嬉しい。
嬉しすぎて…
「10代目に…ナマエ…」
すぐ近くにあっただろう声に、気付けなかった。
続く