笑顔
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『本当に、ありがとうございました。任務へのご協力、感謝します。』
「まぁ、そう堅くなんなって。」
頭をわしゃわしゃと撫でられた。
…何だか、子供扱いしすぎじゃない?
『10代目を必ず…元の生活に、戻してみせます。』
「まぁ、疲れねぇ程度に頑張れ。」
『はいっ。』
10代目を背負って、薬の入った袋を腕に持った。
「なんつうか…色気ねぇな。」
『いやいや、今は色気必要ないですよ。』
寧ろ、どうやったら色気が出るんだ。
『では、失礼します。』
「おぉ、気を付けて帰れよー。」
あたしは保健室を出て、ゆっくりと進んで行った。
「元の生活、ねぇ…」
『よいしょっ。』
落ちそうな体をもう一度支え直し、道をゆっくり歩く。
10代目の体は、あまり鍛えられていないせいか、思ったより軽い。
まさか、あたしより軽いんじゃ…
―ぎゅっ―
あたしの肩にまわしている10代目の腕に、力が入った。
『…10代目?』
「……ごめん。」
謝りつつも、また更に腕に力が。
…下ろさない方が良いかな。
「ナマエ、ちゃん…お願いだから…薬、使わないで。」
『…聞いてたんですか?』
寝たフリとは。
随分趣味の悪い。
「駄目だよ、俺なんかの為に…京子ちゃんにまで嫌われて…もう、良いよ。」
『……』
震えてる。
きっと、泣いてるんだ。
そりゃあ、そうだ。
好きな人に、存在を否定されたんだから。
『…10代目、ごめんなさい。あたし、あの薬をいつか必ず使います。』
「ナマエちゃっ…!!」
『だってあたしは、10代目に居てほしい。』
「っ!!」
『10代目の居ない世界は、皆さんにも影響が出ています。皆、気持ちがバラバラで…本当は、戻りたいんです。』
「そんなわけ、ないよ!!」
反論するかのように、勢いよく10代目は顔をあげた。
顔は、涙と鼻水でグシャグシャになっている。