薬
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「痛み止め、ねぇ…」
痛みさぇ感じなければ、地面に蹲る事もない。
その場の勝負に、少なからず勝算ができる。
『あります…か?』
暫く唸っているDr.シャマルにあたしは不安を感じた。
もしかして、無いとか?
「いや…あるには、ある。」
『本当ですか!?』
「ただ、リスクがなぁ…」
あぁ、やっぱり速効性の薬にはリスクがあるんだ。
『それでも…お願いします。どうしても、欲しいんです。』
「今回の任務の為、か?」
『はい。』
「んで、今回の任務って何なんだ?また嫌われか?」
あたしは、黙って首を横に振った。
『あたしの任務は、10代目をお守りすること…そして、10代目の人格の問題を解決すること、です。』
「あぁ…アイツの…」
何となく理解したDr.シャマルは、また暫く唸った。
「…わかった。用意してやるよ。」
『本当ですか!?』
「ただし!!条件がある。」
『はい。』
「痛み止めって言っても、後から必ず痛みは来る。気付いたら致命傷をやられてるかもしれねぇ。それでも…やるのか?」
『勿論です。覚悟は出来ています。』
あたしはソファから立ち上がり、一礼をした。
堅いことするなって言われたけど、感謝したいから。
「薬は昼頃取りに来い。分量を調整しておく。」
『ありがとうございます。ではあたしは、10代目の所へ戻ります。』
「おう、頑張れよー。」
軽く手を振ってくれたDr.シャマル。
あたしは静かに扉を閉めた。
何だか不思議な人だ。
昨日はあんなに殺気に溢れていたのに。
リボーンの言っていた通り、あの人は誰かの為に悪役をかったんだ。
誰の為に?
『リボーンの為…かな。』
新たなる、ライバルの予感。
いや、まさか…ね。
―コツッ―
『……嫌に静かだ。』
土曜日とはいえ、もう少し声が聴こえても良いはず。
でも、廊下は時間が止まったかのように静まっている。
嫌な予感がする。
あたしは、教室に向かって走った。
続く