「24時間」(骸夢)/思春期番外編
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僕はいつでも、貴女の事を想っていますよ。
『嘘だね。』
「本当です。」
珍しくアジトには僕とナマエの2人っきり。
犬と千種には買い物に行かせて、正解だ。
『仲間も大切なんだから、あたしの事だけじゃないでしょうが。』
「まぁ…はい。」
クロームの体でナマエに抱き締めると、ナマエは大人しくしている。
この前そのまま姿を僕に変えたら、大変な騒ぎだった。
「それでも、ナマエの事は3人よりも多く想っています。」
『骸…』
僕は卑怯な人間ですね。
ナマエに愛せないと言いながら、それに近い言葉を囁く。
ナマエだけを選ぶ事は、出来ないのに。
「ナマエは僕の事を想ってくれていますか?」
想って
つまり、愛してくれていますか?
『……うん。』
「…っ、」
少し間がありましたが、ナマエの顔を見ると真っ赤だったから僕は頬を緩ませた。
もっともっと、ナマエに触れたい。
でもこの体はクロームの物であって、彼女はナマエを好いていない。
『沢山…沢山、想ってる。後悔もしてる。』
「後悔?」
『骸に、もっと触れたかった。あたしが黒曜にいる時に、骸が好きだって気付きたかった。』
「ナマエ…」
あぁ、
あぁ、
僕は彼女には勝てない。
ナマエのその照れたような、健気な顔を見ていると僕は歯止めが効かなくなる。
クロームや犬や千種の事など忘れて、ナマエだけを想いたくなる。
それは、出来ないのに…
「ナマエは、どれだけ僕を想ってくれていますか?」
『うーん…』
京子より沢田綱吉より僕を想ってくれていますか?
『京子の事も、骸の事も、いつも想ってる。』
「……」
『どっちかしか想ってないって事は、無いよ。』
「そうですか…」
僕だけを想う事は無い。
京子だけを想う事も無い。
「1日の何時間程、僕達を想っているんですか?」
『んー…』
彼女は笑って、自信満々にこう言った。
24時間
(君こそ嘘つきだ)