『人気ないね～』


「そうだね｡…一人で来たの？」

『うん!!何か急にツナ達に会いたくなっちゃって～』

「……」



やっぱりあの時に言えば良かった



「ナマエ…俺さっき､10年前のナマエに会って来たんだ｡」

『え？』


「でも最後に…言うべき事を言えなかった｡やっぱりあの時に言うべきだったんだ｡そしたら未来は変えられたかもしれない｡」


『…何を？』


「…だから“10年後の未来にイタリアには絶対に来たら駄目だ｡”って伝えたかったんだよ｡」


『？』



―バーンッ―


「ごめんね…ナマエ｡」


銃を握る手が震える。
こんなこと久々だ｡




「…スグに逝けた？」


血が流れるナマエの体を抱き上げ俺は死体処理の元へ。



「ナマエ…重いよ｡」


死体はいつも引きずるか､部下に持たせていたからわからなかったけど…

死体はとても重かった。



「…ごめんね｡」


ナマエ…


「ごめん…ナマエっ!!俺はっ…」




覚悟は出来ていたと言えば嘘になる。
でもいつも心の何処かでわかっていたんだ。


いつか知人を殺ると。


「ナマエ…なぁナマエ？」

『……』



返事が返って来ない。


殺ったのは俺｡
大好きなあの声はもう聞けることはない。




終り