確かに好きだった(雲雀夢)/思春期番外編
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『きょーちゃん!!』
それから数年。
小学生になってからも、ナマエの誤解が解ける事はない。
「ナマエ。」
『きょーちゃん、会いたかった。』
学校で僕を見かける度に、小走りで来るナマエ。
朝だって一緒に行ってるのに、ナマエはいつも会いたかったって言うんだ。
クラスも学年も違うから、寂しいって。
『ところできょーちゃんって何年生なの?』
「……秘密」
『変なのー』
クラスを言えるわけがない。
ナマエは僕を女だと思っているんだ。
男子の列に並んでいる所を見られたら、いくらナマエでも気付く。
『きょーちゃんはいつもボーイッシュだよね。』
「まぁね」
男だし。
『たまにはスカートとかどうかな?ニーハイとか、きょーちゃん細いからきっと似合うよ。』
「いや…それはちょっとレベル高いよ…」
そこまでする勇気は無い。
『そっか…そうだよね、普段ボーイッシュだしね。』
「……」
そんな、残念そうな顔しないでよ。
『じゃあ、また後でね!!一緒に帰ろうね!!』
「うん。」
ナマエと別れて、ため息が出た。
最近はもうこれが日課。
前に、ナマエに僕が男だということを、バラそうとした奴がいた。
僕がそいつを殴り、喧嘩にもなった。
その日を境に僕はトンファーを持つようになったけどね。
僕のヘマで男ってバレるならまだしも、他人にバラされてたまるか。
「……」
でも、そろそろ限界かもしれない。
小学生まではうまく誤魔化せた。
でも最近、身長の伸びが早くなった。
力もついてきた。
きっともう少ししたら声変わりが始まる。
そして、中学生になったら僕は制服を着るんだ。
いい加減言わなきゃな。
ナマエはどんな顔をするのかな。
分かるのは、悲しむ事だけだ。