確かに好きだった(雲雀夢)/思春期番外編
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ナマエが黒曜中からまた並盛中に戻って来てから、様子がおかしい。
何がおかしいかは分からない。
ただ、悲しそうな顔をする事が多くなった。
「…また寝てる。」
朝の校門での服装検索を終えて応接室に戻って来ると、ナマエがソファで眠っていた。
授業もそろそろ始まるけど…たぶん、出ないつもりだろうね。
『ん…』
ナマエは熟睡しているのか、狭いソファの上で器用に寝返りをする。
タオルケットくらいかけて寝れば良いのに。
「仕方ないな。」
応接室においてあるナマエ専用のタオルケットを出して、ナマエの体にかけた。
このまま、少し寝かせよう。
最近、あまり寝てないらしいし。
『ん…む…』
「何?寝言?」
滅多に言わない寝言に、床に膝をついて耳を傾けた。
『ごめんね…骸。』
「……」
何、言ってんの?
「っ、」
ナマエの体に伸ばした手を引く。
僕は今、ナマエに何をしようとしたんだ。
「ナマエ。ナマエ、起きなよ。」
『ん…なに?』
ソファの背もたれに手をついてナマエを呼ぶと、ナマエは重そうに瞼をゆっくり開けた。
「起きなよ。今日はここで寝ないで。」
このまま居られたら、“安全な幼なじみ”でなくなってしまう。
『あ…きょーちゃん…』
―ドキッ―
「…その呼び方、やめてよ。」
久々に呼ばれたな。
僕が中学入ってから、呼ばれてなかった。
きょーちゃん、なんて。
『眠い。今なら眠れそうだから、見逃してよきょーちゃん。』
「わざとでしょ。その呼び方。」
『……』
また聞こえてきた、ナマエの寝息。
もう、起こしても今日はダメだろうな。
「…あの頃は、僕しか見てなかったのに。」
中学に入る、あの頃までは。