夢なら覚めて(雲雀夢)
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「君はどうして、僕を怒らせるの?」
スーツを着た彼が現れた。
何年振りだったかな?
よく覚えてない。
「卒業の時、言ったよね。“変な事はしないようにね”って。」
彼は…雲雀さんはまるで、私をずっと見ていたかのような口振りだ。
「前に彼氏作ったでしょ。
あれ、始末しておいたから。
ナマエに変な虫が付くなんてよくあったけど、彼氏なんて作るとは思わなかったからね。
いつもは半殺しにしておいてあげるんだけど、今回は痛めつけて殺したよ。」
雲雀さんって、前と何も変わらないな。
私も、いつも雲雀さんを怒らせてる。
中学の頃もそう。
憧れの先輩のサッカー部の練習を毎日眺めてたら、ある日先輩は足を複雑骨折してしまった。
私を好きだと告白してくれた同級生は、歯を全部折られて目も片方潰されていた。
同じ部活の後輩と一緒に帰ったら、その日を境に後輩は学校に来なくなった。
まだまだ、沢山ある。
きっと私が知らないものもある。
だから私は彼氏をつくらなかった。
男子との接触も避けた。
「ナマエ…君は、中学の頃はあんなに良い子だったのに。」
残念そうに呟く雲雀さん。
だって、変だよ?
卒業して
雲雀さんに会わなくなって
何年経ったの?
「僕は毎日、ナマエを見てたよ。」
嗚呼
私は卒業してから一度も
自由なんかじゃなかったんだ。
「僕もナマエにはある程度自由を与えようと思ったんだけど…ダメだね。」
それとも、これは夢なの?
目の前に雲雀さんが居る事も、私の体が痛いのも。
「その彼氏と…したでしょ。セックス。」
『っ、』
あたしの下腹部あたりを雲雀さんの手が優しく撫でる。
「ちゃんと避妊したみたいだから良かったよ。じゃなきゃ、君の子宮を潰す所だった。」
何て怖い事をさらりと言うのだろう。
私はもう、殺された方がマシなのに。
「僕の子供が産めなくなるのは…困るからね。」
『殺…して…』
「大丈夫。君は殺さないよ。」
『殺し…て…よ…』
折られた手足が痛い。
口から血も出てる。
「これからは、ずっと一緒だ…ナマエ。」
嗚呼、
これは夢だ。
私は今、嫌な夢を見てるんだ。
ねぇお願い。
起きたらすぐ、雲雀さんに連絡するから。
知り合いの男は全部切るから。
だから、この痛みも血の量も夢だと言って。
「ナマエ、やっと捕まえた。」
夢なら覚めて
(そう願いながら、目を閉じた)