恨まれても構わない(骸夢)/喜狂番外編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
僕はナマエに、恨まれるだろうか。
「……」
この体…沢田綱吉に取り憑いて、1ヵ月くらい経つ。
ナマエはもう傷だらけで、それでもどんなに傷つけてもイタリアに帰らない。
だから、もう仕事が出来なくなるように手を貫通させた。
予想以上に出血していたが、何とか生きていた。
―コツコツ―
今夜は、そのナマエが入院している病院に来ている。
深夜だから、こっそり。
看護婦達にも見つからないよう、沢田綱吉の体でナマエの部屋を目指す。
―コツ、コツ―
「……」
部屋の前に、ついた。
ゆっくり扉を開ければ、ナマエの寝息が聞こえる。
「…まだ目が覚めませんか。」
ナマエが病院に運ばれてから3日が経つ。
ナマエは、ずっと眠ったまま。
「間抜けですね。3ヵ月間、何をしていたんですか?」
いっそ、そのまま日本に帰って来なければ良かったのに。
―ギシッ―
邪魔な布団を退かし、ナマエの上に跨る。
ナマエの目尻からは、微かに涙が出ていた。
『リ……ボ…』
「おやおや。」
こんな時も愛しい人の夢を見ているなんて。
呑気な方だ。
「……」
『んっ』
抵抗する訳がないと分かっていながらも、ナマエの頬を両手で抑えて口付けをした。
血を吐いた時に口に残ったのか、僕の口の中に血の味が広がる。
舌を延ばせばすんなり受け入れて、ナマエの動かない舌に絡ませる。
このまま犯せば、ナマエは起きるでしょうか。
「…なんて、僕も馬鹿な事を考えるようになりましたね。」
ベッドからおりて、ナマエの体を見下ろす。
女性には似つかわしくない、傷だらけの体だ。
「もう、イタリアに帰ってください。」
僕は沢田綱吉達を許さない。
貴女を傷つけたくせに、友情を語る事を。
そんなくだらない考えを持つ僕を、見られるのも嫌だった。
そして何より、そこでナマエが笑っている姿を見るのも嫌だった。
見たくなかった。
会わせたくなかった。
「ナマエを見てると、苦しいんですよ。」