最低女(京子夢)/思春期番外編
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幼い頃、蟻の巣を見つけると木の棒とかで掘り起こしたりしていた。
中から慌てて出てくる蟻が何だかおかしくて、水をかけて巣をぐちゃぐちゃにもした。
そして最後にその巣の上から土をかける。
もう巣が無くなってしまった蟻達を見て、私はどこか満たされた気持ちになっていたんだ。
『京子の怒りや苦しみを、あたしに頂戴。』
「…どうやって?」
『何でも良いの。京子の好きなやり方で。』
幼い頃よく埋めていた蟻の巣。
あの時も確か、私は苦しんでいた。
それを蟻達を使って気晴らししたんだ。
なんて酷い女なんだろ。
「刻みたい。」
『あたしの身体に?』
「うん。」
『良いよ。はい。』
差し出されたカッター。
この子は頭がおかしいんじゃないかな。
自らカッターを出して、刻まれようとするなんて。
そもそも何で私が好きなんだろ。
私、酷い女だよ?
お兄ちゃんが好き過ぎて歪んでる女なんだよ?
『京子はあたしの気持ちを拒絶しなかった。笑顔で応えてくれた。だから、あたしも京子を拒絶しない。京子の全てを受け入れたい。』
「……」
『だから、京子。頂戴?』
カチカチとカッターの刃を出して、この子の腕に私の醜い感情を刻んだ。
白い腕に刻まれた傷を見て、思い出すのはあの蟻の巣。
出て行く血が蟻。
この傷に水で消毒して、瘡蓋が出来たらまた私は掘るのかな。
『うっ…あ゛っ』
「痛い?」
『…ちょっとね』
「やめる?」
そう聞くと首を横に強く振った。
『もっと…もっと頂戴っ』
「変な子。」
ねぇ。
何で私が女の子に告白されて拒絶しなかったか分かる?
勿論、最初は驚いたよ。
何て変わった人なんだろうとも思ったよ。
でもね、お兄ちゃんを愛してる私が拒絶する権利は無いって思ったの。
私はこの子と同じなんだ。
周りから見たら、おかしい恋をしてるんだ。
だから、拒絶しなかった。
私は優しい人なんかじゃないの。
あぁ、私最低。
(こんな私を好きだと言ったこの子も、相当歪んでるのね。)