フゥ太の気持ち/思春期番外編
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初めてあの人と出会ったのは、確か雪合戦の時だった。
あの時はすぐに帰っちゃったから、何の印象も無かった。
次に会ったのは、僕が骸さんに捕まった時。
“んなもん縛って吊しとけ!”
って言われた時はちょっと怖かった。
…というか、黒曜にいる間は怖いって印象が強かったと思う。
でも、あの人はただ誰かに一途なだけだったんだ。
「あ!」
『……』
散歩していたら、ちょうど学校帰りのあの人に会った。
「ねぇねぇ、今帰り?」
『うん。』
「今日は京子姉と一緒じゃないの?」
『うるさい』
「あ、京子姉に断られたんだー。」
『……』
最近、この人との会話のし方が分かって来た。
図星だと黙るんだ。
「ねぇねぇ。」
『何』
「遊ぼ!」
『やだ』
前より、優しくなったとも思う。
前だったら無視されただろうし、ついて歩けば睨まれた。
『アンタ、暇だね。』
「一緒だね。」
『……』
はは、図星だ。
「ねぇ、僕の事キライ?」
そう聞くと、彼女は足を止めて僕を見た。
変な事聞いたから驚いてるみたい。
『……何、突然。』
「んー。なんとなく。」
僕は前に、彼女に酷く憎まれた。
僕がツナ兄達の事を骸さんに話さなかったからだ。
そのせいで京子姉達が巻き込まれたし。
ねぇ、だから、僕の事キライ?
『ガキ。あたしがそれを答えても、アンタは何も得をしないよ。』
「……」
『だから、聞かない方が賢い。』
前に言われた。
バカな男はもっと嫌いって。
つまり、聞いたら嫌い?
「…わかった。」
『うん』
「でも…」
『?』
「少しでも好きになってもらえるように、僕頑張るね。」
僕じゃ支えにはなれないし、
骸さんの身代わりにもなれないけど
『勝手にしなよ。』
あ。
彼女が少し、笑った気がした。