狙われた犬
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―――…
「あらあら、そんな所切られちゃったのね。跡にならなければ良いけど。」
『お手数おかけします。』
消毒液をかけられると、切られた時よりも酷い激痛が走る。
本当、跡にならなければ良いんだけど。
「これじゃあ当分首輪は無理ね…襲われた時つけてなかったの?」
『皆さんがお仕事に行ってる間は外してます。』
それくらいの抵抗はさせてくれ。
とは言っても、首輪を付けてればこんな傷にならなかったのかな。
「犯人は殺した?」
『いえ、ベル様に病院まで運んでもらってます。』
ベル様をわざわざ動かしてしまったのは申し訳なかったかな。
お仕事の後だったのに。
「病院に、ねぇ…」
『ルッスーリアさん?』
「ナマエは幸せね。わざわざベルが動くんだから。」
そう、ベル様が早く帰ってきてもらえなかったら私は今頃死んでいた。
『男の方は私を殺すように頼まれたみたいなんです…私、誰かに恨まれているんですかね。』
しかも、話によれば結構な大金をつぎ込まれたみたいだ。
「……」
『ルッスーリアさん?』
「きっと、どこかの変態でしょ。ナマエに恨みがあるんじゃなくて私達への当てつけよ。」
そっか。
それも有り得る。
「今日は早く寝なさい。」
『はいっ』
切られたのが手足じゃなくて良かった。
手足を切られたら、家事に支障が出るから。
男の娘さんの事が少し気になるけど…
でも、家族揃ってればきっとどうにかなる。
良かった。
――…
「この辺で良いかな。」
森の中でベルは男を地面に下ろした。
「おい…どういう事だ。」
「うしし、本気で俺がお前を助けると思ったのかよ。」
「っ、」
ナイフを出すベル。
「あ…あのミョウジという女と約束しただろ!」
「お前に生きて帰られちゃこっちが困るんだよ。お前、依頼されてんだろ?」
「……」
「どうせここで生かしても、依頼主に殺される。」
「頼む…助けてくれ…」
ベルが笑った。
「無理。」
―ザシュッ―
「う゛…あ゛…」
「だってお前、俺の犬に傷つけたし。」
動かなくなった男。
それを確認するとベルは男の亡骸を崖から落とす。
「うししっ、誰にも殺させねーよ。俺の犬だからな。」
―翌日―
『ベル様昨日はすみませんでした。わざわざ病院に運んでもらったのに、私先に寝てしまって。』
「気にすんなって。」
『あの人は大丈夫そうですか?』
「あぁ、暫くすれば家族に会えるよ。」
死体だけど。
『良かった…ベル様、殺さないでくれてありがとうございます。』
何も知らないナマエは笑った。
(結局憂さ晴らしとか出来なかったなー)
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