狙われた犬
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「ゆ…許してくれ!金がどうしても必要だったんだ!」
『どうして?』
「家族の…娘の、病気の治療の為に…」
『……』
あぁ、この人には家族が居るんだ。
私を殺せば、その家族は誰も悲しまない。
「うしし、知らねーよ。そんなコト。」
「あ…あぁ…っ」
「それに、お前がこの屋敷に入った時点で殺される事は決まってる。」
ベル様が、ナイフを数本構えた。
『ま…待ってベル様!』
「っ!」
ベル様の腰に捕まって、止めた。
『その人を…殺さないでください。』
「……何で?」
確かにこの人は私を殺そうとしたし、ベル様の部屋をめちゃくちゃにしてしまった。
でも、それでも…
『この人の帰りを待つ家族が居るんです…だから、殺さないでください。』
きっと残された家族が悲しむ。
私と同じような思いをしないでほしい。
「えー。」
『えーとか言わないでください。』
「後で俺の事満足させられる?」
『が、頑張ります。』
「縛りは?」
『…はい喜んで。』
「靴は?」
『……舐めます。』
何だ。
男が引いてるぞ。
「……良いよ。わかった。」
ナイフを引っ込めたベル様に一先ず安心する。
『ごめんなさい、私の命はあげられません。』
「……」
『私の命はベル様のモノですから。』
「…凄い関係だな。」
関心されちゃったよ。
「ナマエ。」
『は、はい。』
「俺はコイツを街の病院に連れて行くから、ナマエはルッスーリアにその傷看てもらえよ。」
『…はい。』
せっかくベル様に頂いた服が血で汚れてしまった。
ベル様に言われた通り、いい加減止血しないとマズい。
『ではベル様、お願いします。』
「良いから早く行けって。」
「ミョウジナマエ。」
男が、私をじっと見てる。
『何ですか?』
「……ありがとう。」
どうしてお礼を言うんだろう。
本当は私を殺したかっただろうに。
「俺は家族の為に、人殺しをする所だった…」
私を殺せなかった男は、何だか満足そうだった。