狙われた犬
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―ドンドンッ―
『っ、』
扉が叩かれる。
あの人は泥棒なんかじゃない。
きっと、この屋敷の誰かを殺しに来たんだ。
『や…やだ…』
ベッドの下に隠れる。
あんな鍵なんて、すぐに壊されるに決まってる。
外に逃げても私の速さで逃げ切れる自信も無いし、怖くて走れない。
―ガチャガチャ―
ベル様、早く帰って来て…
ベル様!
―バンッ―
『――っ、』
扉が、開いた。
―ドクンッ、ドクンッ―
私の心臓がうるさい。
足音が、近付いて来る。
バレないで…!!
「ミョウジ!何処に隠れている!」
『……』
どうして、私の名字を?
―ビリッ―
何かが破けた音。
カーテンを切られたのかな。
「何処だ…出てこい!」
部屋中が、荒らされる音が響き渡る。
怖い…
どうして、私を知ってるの?
どうして、私を狙うの?
―ガンッ―
『っ、』
ベッドの隙間から見える所にベル様の洋服タンスが倒れてきた。
「くそっ、ここにも居ないのか…」
腹いせなのか、ナイフを持った男はベル様のタンスを容赦なく蹴り、壊していく。
きっと、他の家具にも当たり散らしてる。
『…っ、』
怖い。
やめて。
やめてやめて。
『ベル様の物をそれ以上傷つけないで!』
ベッドから出て、ベル様の物をかばうように立った。
「ふん…隠れていれば見つからなかったものを。」
『…私は、ベル様の犬ですから。』
あぁ、何だか私…今とても恥ずかしい事言ったよね。
でも、許せない。
切り刻まれたカーテンも、倒されたタンスも、傷ついたテーブルも…
『いくらすると思ってるんですか!』
「……」
この家具全部!
私が1年アルバイトしても全然足りない!
そもそも、一般のアルバイトの時給を知らなそうだ此処の金持ち達は。
「くだらないな。」
『え……』
視界が、がらりと変わった。