出会い
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帰り道、あたしはボーッと考えた。
このビニール傘は購買で買った物なのだろうか。
少し新しい。
『ごめんなさい…獄寺隼人…』
貴方の優しさは残酷でもあったけど、暖かかった。
『ヒック…ごめ、なさ…』
此処に来て初めての涙。
『…っ…ふぁ…』
傘も持つのが辛い。
傘をその場に落としてあたしはただ泣いた。
―サァァァァッ―
『ヒック…グズッ…』
どうして涙が出るのかわからない。
あたしは何が辛い?
リボーンが何を考えているか分からないこと?
傷が痛いこと?
獄寺隼人を傷付けたこと?
もう…わからない。
「…おや。」
『……』
人の気配なんて無かったのに…どうして人が…
「こんにちは。」
『…誰ですか。』
いそいで涙を拭いた。
雨で誤魔化せると思うけど。
「僕は黒曜中の六道骸と申します。貴方、並盛の生徒ですね。」
“風邪ひきますよ”って言いながら落ちていた傘を拾ってあたしの上にさしてくれた。
『…そちらこそ風邪ひきますよ。黒曜中の人が、何の用ですか?』
相手も傘をさしていない。
「雨が酷いんでねぇ…仲間に傘を持って来てもらうんですよ。」
『お優しい仲間ですね。』
「それまで、お茶でも付き合っていただけませんか?」
『……』
なんだろう
この感じ。
凄く断りたいのに、断れない。
断ったら何かが起こりそうな…
『えぇ…良いですよ。』
押し潰されそうな圧力。
片目に“六”という数字が入った彼はニッコリ笑って、“それでは行きましょう”と言った。
それが六道骸との出会い。
続く