出会い
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いつか真実を知ってもらいたい
『あなたは…邪魔なんです。』
貴方の優しさは暖かくて残酷。
「な…にを…」
『獄寺隼人、貴方があたしに同情で接する度に周りがどう思っているか気付いていましたか?』
「……」
『あたしに近付く度に周りの女子からは嫉妬と殺気。何も出来ないのに…中途半端な優しさはただ残酷なだけなんです。』
「お…俺は…」
『ですから、もう…あたしには関わらないでください。』
「…わかった。」
『でも、あたしは少なくともあなたには助けられました。ありがとうございました。』
「礼なんて言うんじゃねぇ。」
『ではあたし、これ食べたら帰りますから。』
「俺は此処にいるぞ。何処に居ようと俺の勝手だからな。」
開き直られた…
『…そうですね。』
ごめんなさい、獄寺隼人。
今は駄目。
この任務が終わったら…
お友達になってください。
―サァァァァァッ―
『…雨?』
「うわっ!降って来やがった。」
『フゥ…食べ終った事だし…帰ります。では。』
「ま、待て!!」
『?』
「とにかく待ってろ!!帰んじゃねぇぞ!!」
階段を凄い速さで下って行く獄寺隼人。
『…不思議な人。』
何分も経たない内に戻って来た獄寺隼人の手にはビニール傘。
「こ、これ…使えよ。」
『……』
傘を差し出す獄寺隼人の手は、微かに震えていて
下を向いていて、前髪で表情は見えないけど
『ありがとうございます。』
受け取らないと壊れてしまいそうな気がした。
『では…また明日。』
あたしは獄寺隼人の顔を見ないでその場を去った。