壊れた世界
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「……アラ?その手についているのは、何かしら?」
『…え?』
手を見て、さっきまで忘れていた事を思い出した。
あたしはコレの為に早退(?)したんだ。
『さっき、ちょっと切っちゃいまして。』
「まぁっ!!どうして先に言わないの!!」
―グイッ―
『っ!?』
突然怒鳴ったそのお母さんは、あたしの腕を引っ張って台所へ。
「傷口はスグに洗わなきゃダメよ!!」
『……』
傷口なんて、洗った事なかった。
気にしないでいた。
逆に、気にされるのも初めて。
「結構深いけど、大丈夫?痛くない?」
『……はいっ』
あたしの手に触れて、洗ってくれるこの優しさがとても痛い。
嬉しすぎて涙が溢れる。
最近、泣きすぎだなぁ。
「あ、ごめんね!!…痛かった?」
『大丈夫…です。ありがとう、ございます。』
泣いているあたしを見て、そのお母さんは一瞬焦っていたけどスグに落ち着いた。
「私にはね、息子がいるのよ。」
『…え?』
「この制服、並盛のでしょ?私の息子もそこに通っているの。」
『……』
この人は、あたしが初めから並盛生徒だと知っていたんだ。
それでも、授業時間だと知っていたのにあたしを追い返さなかったんだ。
母親って凄いなぁ。
『あの…』
「なに?」
傷口にバンソウコウを貼ってくれているお母さんはあたしに微笑みながら返事してくれた。
『また、来ても良いですか?』
これはきっと、あたしは逃げたいだけなんだ。
この人の優しさに、此処に来て初めて安心感を覚えた。
此処の家は任務とは関係ないみたいだし…