一年
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ナナリーとお茶を飲む約束をした。
「今日は風が気持ちいいので、外でお茶しませんか?」
「良いね。9月になると夕方頃は過ごしやすいよね。」
咲世子さんが運んでくれたのは、美味しそうな紅茶とスコーン。
「あ、この紅茶…いい匂い。」
「マロンティーなんです。珍しかったので試してみたら、とても美味しかったので。」
ナナリー、まさか私とお茶する為に探してくれたの?
何て健気な子!
「うん、美味しい。」
「良かった。ぬるくないですか?私の飲みやすさに合わせてしまってるので…」
「私も猫舌だから、丁度良いよ。」
「ふふっ、ありがとうございます。」
お礼を言われる程の事はしていない。
「スコーンも美味しい。」
「それは咲世子さんの手作りなんですよ。」
「ホント!?美味しいです、咲世子さん!」
「ありがとうございます。まだまだあるので、是非沢山召し上がって下さい。」
はぁ。
幸せ。
可愛いナナリーとお茶して、優しいメイドの咲世子さんも居て。
「ナナリー。」
「お兄様?」
あ、終わったな。
「どうなさったのですか?あ、紅茶の匂いに誘われました?」
「いや、ちょっと虫が見えたから払おうと思ってな。」
「何で私を見た?私が虫って言いたいの?」
めちゃくちゃ失礼だよね。
女の子に向かって虫だってよ。
「そういえば、最近鈴虫の音色が聞こえるようになりましたね。」
「カエルも鳴いてるよ。ゲロゲロって。」
「ゲロゲロはお前だチビ。」
「お前にゲロゲロだハゲろ。」
睨み合う私とルルーシュ。
ナナリーは首を傾げた。
「スザクさんは、ケロケロって言ってました。」
「えー、ゲロゲロだよ。」
「違う、クローククロークだ。」
何、クローククロークって。
そんな洒落た鳴き声してないだろ。
「ゲロゲロ!」
「クローククローク!」
「ケロケロ。」
ナナリーは可愛いから許す。
ケロケロもゲロゲロも似てるしね。
「クロークは無い!そんなの見たこと無い!」
「ある。それに、ゲロゲロは汚いだろ。」
「だって、ゲロゲロだもん!」
「では、実際に捕まえてみては如何でしょうか。」
咲世子さんの一言で、カエル探しが始まった。
夜中に煩いくらい鳴いてるカエルも、探そうとすると見つからない。
3時間程して、私とルルーシュはたった1匹のカエルを見つけた。
「さぁ、鳴けカエル。ゲロゲロって!」
「鳴けば逃がしてやる。クローククロークだ!」
「楽しみです。ケロケロ。」
カエルをじっと睨みつけ、その瞬間を待つ。
「ゲゴゲゴ」
「「「……」」」
カエルは逃げて行った。
「ゲゴゲゴでしたね。」
「まぁ、ルルーシュの回答が一番遠かったな。」
「黙れ!今のカエルがおかしかったんだ!」
もう夕飯の時間だったので、咲世子さんの手作りご飯をご馳走になった。
(外が暗くなるの、早くなってきたな。)