オレンジ畑から
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5人で生活を始めて、1年が経った。
「ジェレミア。すき。すき。」
「アーニャ、離れろ。」
アーニャはジェレミアにベッタリだ。
さり気なくアピールを続けていたアーニャも、痺れを切らしたらしい。
毎日すきと言ってジェレミアを追いかけている。
「アーニャがそんなに大胆な性格だったなんて、意外かも。」
家事がひと段落したら、丁度ジェレミアとアーニャもオレンジ畑の仕事が終わったらしい。
3人分の紅茶と、手作りのオレンジケーキを用意した。
ジェレミアがイス座ると、迷わずアーニャはジェレミアの膝に乗った。
今ではアーニャは、私達の目の前でも構わずジェレミアにくっつく。
「いい加減離れないか、アーニャ。年の差を考えてくれ。」
「離れちゃダメ。そのまま。」
ジェレミアは意外と、女性の押しに弱いらしい。
うーん、と唸ったら大人しくなっている。
「おい、少しは助けてくれないか…」
ジェレミアが私に助けを求めるなんて。
余程困っているらしい。
「アーニャ、どうしてそんなに大胆なの?」
「ナマエとスザクが、こうやってイチャイチャしてたから。」
「そういえばそうだったわ。」
「この下品な女め!!!無知で無垢な少女の前で、何はしたない姿を見せてる!!お前が教えたも同然だ!!」
「うっせバーカバーカ!!」
やっぱりジェレミア嫌いだな。
「と、とにかく、アーニャも女性としての自覚を持て。女性が簡単に男に触るんじゃない。」
「あ…」
ジェレミアがアーニャを引き剥がすと、ケーキの乗ったお皿を持って部屋から出てしまった。
「あの、アーニャ…」
「ジェレミアって、ルルーシュが好きって本当?」
「はい?」
「ジェレミアが言ってたの。
"私の心も体も、全てはルルーシュ様の為にある"って。」
「きも。」
多分、そういう意味じゃなくて。
ルルーシュについていくから、アーニャの側には居れないよって。
そういう事なんだろうけど。
「ねぇ、ナマエ。」
「なにー」
「私の最期まで、ここに居て。」
「……」
「お願い。」
私に決定権は、無い。
でも、まだルルーシュもどうするか決めてない。
「ジェレミアを連れて行かないで。」
アーニャは、分かっているんだ。
私達とは、ずっといれないことを。
「うん。それが今のアーニャの幸せなら、それを守るよ。」
「……」
「でも、アーニャは普通の生活が出来る。もし、別に好きな人が出来たらそっちに行ってもいいの。」
「予定はない。」
「そっか。」
私も、スザクやカレンと離れたくない気持ちは強かった。
だからこそ、アーニャの気持ちを優先したい。
「……」
アーニャがテレビをつける。
丁度ニュースがやっていて、そこにはゼロが映っていた。
「あ、」
「いいよ、アーニャ。変えないで。」
「……うん。」
ルルーシュがいる時に見てしまうと、ちょっと気まずい空気になるので遠慮している。
スザクの事は本当に愛していたし、今でも好きで特別だけど、
私は、私の意思でルルーシュを選んだ。
後悔はしていない。
私が選んだ道だから。
でも、アーニャはどうだろう。
こんなにもジェレミアの側に居たがってるのに。
私達が離れることは、正しいと言えるのかな。
「ナマエ、ケーキ美味しい。」
「よかった。暇な時間も多いから、練習したの。お菓子作りは元々苦手だったから。」