忘れた少年(ライ・スザク)
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「私、バナナチョコアイスが良い。」
クレープ屋に来て、ナマエはメニューを睨んだ後そう言った。
随分ボリュームのあるものだ。
「じゃあ僕は、マカロニグラタン。」
「また?何でグラタンなの。」
「美味しいから。また交換する?」
「私のバナナチョコアイスは渡さない。」
「僕のお金なのに…」
ふと、ナマエと初めて会った日の事を思い出す。
ナマエはあの時確か、バナナチョコだった。
そんなにバナナチョコが好きなのだろうか。
でも、あの時とは少し違う。
僕達は学校帰りだということ。
同じ生徒会だという事。
この場にユーフェミア様が居ない事。
そして、
「ナマエ、クレープって何だ?」
ライが居ること。
「はぁ?あんた、知らないの?」
「あぁ。記憶に無い。」
「有り得ない。一番忘れたらいけないモノなのに。」
「そんなに美味しいの?」
「クレープを知らないのなんて、人生の半分は損してる。」
ナマエが熱くなるなんて、珍しい。
珍しいけど、そこは置いておこう。
どうして、ライが居るの?
用事、もう済んだんじゃないの?
「えっと…良かったら、ライも食べる?奢るよ。」
「いや、気持ちだけ頂くよ。今日は財布を忘れてしまった自分が悪い。」
「そう。」
クレープを食べるわけでも無い。
まぁ、でも…
ライだけ生徒会室に残して行くっていうのも、意地悪だよな。
友達なら一緒に誘うべきだ。
……誘わなくても来たけど。
「枢木スザク!早く、お金払って!」
「あ、うん。」
クレープを買って、僕達は近くの公園へ行った。
「ふふっ、おいし。」
ナマエが笑顔でクレープを食べている。
良かった、喜んでもらえて。
「ナマエ、僕にも一口くれないか?」
「!?」
ライって、普段こんなキャラだった?
いや違う。
絶対に違う。
シャーリーや会長とあとニーナには、そんな事しない。
「やだ。」
あ、良かった。
ナマエにその気はないんだ。
「どうして?」
「これは私のクレープだ。」
せっかくナマエが笑っていたのに、不機嫌になってそっぽを向いてしまった。
「あ。ナマエ、生クリームついてる。」
「は?」