忘れた少年(ライ・スザク)
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「ほら、早く。」
「あっ」
ライがナマエの手を掴んで、歩き出す。
ナマエは驚きつつも、手を振り払わない。
「ま、待って!」
「い゛っ!?」
空いているナマエの腕を掴んで、引っ張る。
そんなに強くしたつもりは無かったけど、ナマエは変な声を出した。
「ナマエ、大丈夫か?」
「あ、あぁ…何?枢木スザク。」
「えっと…」
どうしよう。
つい、止めてしまった。
ライが、悪いわけじゃない。
寧ろ仲間だ。
仲間と一緒に屋上へ行く。
うん、何も問題ない。
ただ、ナマエはライに会いに生徒会室に来た。
ライはそんなナマエを察して屋上へ誘った。
これは、僕を邪魔だと思っての行動だ。
どうして、ライなんだ。
「えっと…ナマエ、今日暇?」
「何で?」
「僕、久々に休みなんだ。遊びに行かない?」
「私と?何処に?」
「租界とか…あ、そうだ。クレープご馳走するよ。」
「クレープ?」
「うん、クレープ。」
「……」
ナマエは僕をじっと見た後、続いてライの方を見る。
俯いて、そして…
「ライ、屋上に行こう。」
「っ、」
「離せ枢木スザク。」
まさか、クレープで釣れないなんて…
意外だ。
軽くショックだ。
ナマエの腕を離す。
生徒会室から出て行こうとするナマエ。
「10分で戻る。」
「え…」
扉が閉まる。
でも、ナマエは確かに行った。
戻ると。
つまり、待っていろという事か?
「あ、」
財布の中身を確認する。
よし、大丈夫だ。
クレープ代は余裕である。
ライとの用事も気になるけど。
でも、10分程度で済むんだ。
その後は僕を優先した。
何だ。
ライは特別だと言っていたけど、何てこと無いじゃないか。
「良かった…」
ん?
良かった?
それはおかしな感情だ。
ナマエが他人との交流が浅い事に安心する、なんて。
それじゃあ酷い人間じゃないか。
友達が多いのは、良いことだ。
そうだ、さっきのは僕が子供っぽかった。
大人気ない。
ライとナマエには、迷惑をかけてしまったな。
ライには嫌味っぽく言っちゃったし。
今度から気をつけよう。
「アーサー、ナマエが戻るまで遊ぼう。」
「シャーッ!!」