一年
夢小説設定
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梅雨の季節。
雨の日は髪の毛がなかなかセット出来なくて面倒くさい。
私だって一応女だ。
そういう所は気にする。
「あ。髪の毛跳ねてる。」
「っ!」
枢木スザクに、髪の毛をクイクイっと軽く引っ張られる。
朝、確認したのに。
ちゃんとセットした筈なのに。
「触るな。お前の方が湿気でくりんくりんになってるくせに。」
「雨の日はどうしてもね。そういえば、ルルーシュは跳ねてないね。」
後ろの席のルルーシュを見る。
今日は雨なのに、その髪の毛はいつも通りまっすぐだ。
「俺は雨の日も関係ない。」
「良いなぁ。僕達は雨だと大変だよ。」
「僕達って何だ。私を巻き込むな。」
「え?だって、跳ねてるよ。」
確かにルルーシュ程サラサラじゃないけど。
でも枢木スザク程跳ねていない。
「明日は晴れる。そしたら私の髪の毛はもう跳ねない。」
「あれ?確か明日は降水確率が80パーセントだよね?」
「晴れる。」
「はぁ…明日も雨だ。その自信は何処からくるんだ。」
ルルーシュを睨む。
ルルーシュは新聞の天気の所を指差し、雨だと主張する。
「だって、てるてる坊主作ったもの。」
「「……」」
え?
何で沈黙?
「何さ。」
「いや…なぁ、スザク?」
「えっと…そんな本気で言い切られると、答えづらいかな。」
え?何?
「ハッキリ言え!」
「フン。高校生にもなって何がてるてる坊主だ。アホらしい。」
「!?」
あ、アホらしいだと…?
「アホらしくない!効くもん!」
「効かん。晴れてるのはお前の頭の中だけだ。」
「なっ」
「ルルーシュ、言い過ぎだよ。20パーセントは晴れるみたいだし、てるてる坊主なんて…何か可愛いんじゃない?」
「バカにしてるだろ!」
ムカつくムカつく!
枢木スザクの笑い方、絶対バカにしてる!
「ルルーシュ!明日晴れたら、私にクレープ奢れ!」
「良いだろう。では、雨なら1日俺の命令に従ってもらう。」
「分かった!」
「え、ルルーシュせこいよね?」
絶対負けたくない。
てるてる坊主をナメるな。
「ジャッジはカレンに任せる!」
「え、私?(巻き込まれた…)」
明日は絶対、晴れる!
―翌日―
「曇りだね。」
「「……」」
枢木スザクの言葉に、私とルルーシュがふてくされる。
「えっと…じゃあ、引き分けね。」
「待った!雨は降ってない。それなら、私の勝ちだ!」
「カレンのジャッジを聞いていなかったのか?大体、曇りは晴れてるとは言えないな。」
「くそっ、ハゲろ。」
「何とでも言えクソチビ。」
悔しい。
でも、80パーセントの雨を曇りにしたんだから、てるてる坊主は凄い。
「カレン。今日買い物付き合って。」
「良いけど、何を買うの?」
「ティッシュ。」
「(…全部使ったのね。)」
「(完璧アホだ。)」
「(ちょっと怖そうだな。)」
(帰りにカレンとお揃いの傘を買った!)