気付いた事(ルルーシュ)
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強くて生意気な女だと思っていた。
だが、実際は違う。
ナマエは弱い。
大切な、大好きな男を無くした。
それがどれほど辛いかなんて、俺だって分かる筈なのに。
ちょっと仕返しがしたいと思っていた自分が恥ずかしい。
小石を投げたような気持ちだった。
だが、それは予想以上に波紋を呼んでしまった。
「離せ、ルルーシュ。」
「悪かった。」
「分かったから、離せ。」
「すまない。」
「もういいからっ」
強く抱き締める。
そうしないと、ナマエが居なくなってしまう気がして。
「ルルーシュ、苦しい…」
例え直人の死を受け入れなくても。
俺は必ずナマエを生かそう。
「ナマエ、こっちを見ろ。」
「無理。」
ナマエは今、どんな表情を浮かべているのだろうか。
まだ泣いてるのか?
それとも、照れてる?
―シュッ―
空気を割るような音が聞こえる。
扉が開かれたのか。
……ん?
扉が、開かれた?
「し、C.C.!?」
「おや。お楽しみ中だったのか?」
「違う!誤解するな!」
一瞬驚いた表情を浮かべたC.C.だが、すぐにバカにしたように笑って見せる。
―ドスッ―
「ぐっ」
腕の力を緩めた隙に、ナマエが肘で思い切り俺の腹を突いた。
痛みに耐えられず、手を離す。
「ゴホッ、ゴホッ…おい、待てナマエ!」
走って行ったナマエ。
最後まで表情は分からなかった。
扉が閉まると、笑っていたC.C.はいきなり真顔で俺を睨む。
「強姦は犯罪だぞ。」
「分かっている。それに、そんなつもりは一切無い!」
「どうだか。やたらナマエに構うからな。」
「ナマエは黒の騎士団の1人だ。チェスの駒と変わらない。」
そうだ。
ナマエはあくまで駒の1つ。
ナナリーの為に、優しい世界を作る為の道具だ。
あまり干渉してはいけない。
人にはそれぞれ過去がある。
そんな事を気にかけていたら時間が足りない。
「これか?ナマエに頼んでいた仕事って。」
「ああ。これで誰に何を任せるか決めやすくなる。」
書類を捲り、手を止める。
肝心な事に気付いた。
「ナマエのデータが無い…」
C.C.はピザを食べながら笑っていた。