日本の記憶(カレン・直人)
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「もし…ナマエが私達と一緒に戦ってくれるなら、嬉しい。」
「っ、」
「でも、ナマエが日本にこだわりが無い事も知っている。だから無理強いは出来ない。」
「カレン…」
あぁ。
手を伸ばさなくちゃ。
私は今、カレンに求められているのに。
「さようなら、ナマエ。」
嘘でも、日本の為に戦いたいと言えば良かった。
私の居場所はもう無い。
幸か不幸か、私は国籍が日本人でも、両親がブリタニア人だった為ブリタニア人としての扱いを受けた。
両親の莫大な遺産と貯金もあったので、生きて行くには不自由なものは無い。
でも私はきっと、この時に死んだのと同じだった。
数ヶ月後。
ブリタニア人はこのエリア11で我が物顔で暮らし、イレブンと呼ばれる日本人は酷い差別を受けていた。
昔の私と逆だ。
日本人が租界をうろつけば、汚いモノを見るような眼差しを向ける。
カレンとはあれ以来会っていない。
私の事を、忘れてしまったのだろうか。
「申し訳ございません!!どうか、お許しを!」
「?」
突然聞こえた、女性の声。
振り返ると、日本人の女性がブリタニア人の男に土下座をしている。
「イレブンのくせに、この俺に何てモンつけてくれたんだ!あぁ!?」
「弁償します!ですからどうか、お許しを…」
ブリタニア人の男を見ると、服が一部濡れている。
どうやら、飲み物をかけてしまったらしい。
「ちょっと来い!!」
「いや、やめて…助けてっ」
路地裏に引っ張られていく女性。
周りを見ると、笑っているブリタニア人が居ても心配するブリタニア人は居ない。
日本人は…ただ、見てるだけか。
「……」
私はどうしたい?
カレンなら、直人ならどうする?
助けるに、決まっている。
「お願いします、どうかお助け下さい…お金は払いますから…」
「はぁ?金の無いイレブンがどう弁償すんだ?」
「キャアァッ!誰か助けて!」
「そんな奴にお金なんか出さなくて良い。」
路地裏に入ると、男は今にも女性を殴ろうとしていた。
「は?お前、ブリタニア人だろ?」
「違う。」
カレンや直人なら、きっと助ける。
カレンや直人が此処を日本だと言うなら、此処は日本だ。
「私は日本人だ。」
カレンや直人が日本人なら、私も同じ日本人でありたい。