日本の記憶(カレン・直人)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「カレンはお兄ちゃんが大好きなんだね。」
「うん!お兄ちゃんの友達も、私と遊んでくれるの。」
「そっか。」
カレンは私とは違っていた。
日本人だという認識を持っていたからだ。
私は持っていない。
私はブリタニア人だと思っているから。
「カレン、お待たせ。」
「あ、お兄ちゃん!」
「っ!」
お兄ちゃん、て…
日本人!?
カレンはハーフなのに、カレンのお兄ちゃんは見た目がまるっきり日本人だ。
勝手にお兄ちゃんもハーフだと思っていたのに。
「ん?カレン、お友達?」
「うん。ナマエっていうの!」
日本人だ。
大嫌いな日本人。
やだな、きっとまた変な目で見られる。
「う…」
目が合う。
背の高いその男はニッコリと笑った。
「綺麗な髪色だね。」
「え…」
初めて、言われた。
男に…綺麗、なんて。
「俺は紅月直人。よろしくね。」
直人は私の頭を、優しく撫でてくれた。
「よ、よろしく。」
正直、その時はどう反応したら良いのか困った。
だって、例え優しくされても私は日本人が嫌いだから。
見た目で差別しているのは日本人だけじゃない。
私も、日本人を差別している。
だから、すぐに良い人だとは思えなかった。
―――…
「カレン、カレン!」
その出会いから半年後。
私はすっかり、カレンに夢中になっていた。
毎日のように一緒に遊び、私は初めてワクワクしながら明日を迎えるようになった。
「やぁ、ナマエ。」
「あ…う…こ、こんにちは。」
カレンの家へ行けば直人が居る。
当たり前の事なのに、まだ慣れない。
「カレンならもうすぐ来るよ。」
「うん…」
「今日は何処に行くんだ?」
「えと…決めてない…」
日本人。
たったそれだけの事な筈なのに。
私は直人の顔が見れない。
「ナマエ、お待たせ!」
「あ、カレン!」
やっと来たカレンに抱き付く。
緊張していたから、安心した。
「カレン。今日は暑いから、帽子被ろうな。」
「うん!」
直人がカレンに麦わら帽子を被せる。