日本の記憶(カレン・直人)
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幼い頃。
私は日本が大嫌いだった。
「変な髪色!肌もきもちわりー!」
「うるさい!!」
ブリタニア人の両親から生まれた私は、書類上日本人という扱いになる。
でも、現実は上手くいかない。
異なる髪色。
異なる肌色。
目の色も、見た目の全てが私を日本人と認めさせない。
ブリタニア人だ。
見た目で差別され、私は常に1人だった。
この日本という国に、私の居場所は無い。
でも、それでも良かった。
私は将来、ブリタニアで暮らしたいという目標があったから。
私はブリタニア人だ。
生まれた場所がたまたま日本だっただけの話だ。
早ければ、高校からでもブリタニアに行こう。
日本なんか、最悪な国だ。
「あれ?」
広い公園を抜けようと歩いていたら、1人の女の子がベンチに座っていた。
きっと、私と同い年くらいだ。
普段だったら絶対気にしないのに、足を止めたのには理由がある。
日本人とは異なる髪色。
俯いているから目の色は見えないけど、彼女はきっと日本人じゃない。
話してみたい、かも。
「あ、あのっ」
「え?」
顔を上げた女の子。
予想以上に可愛くて、驚いた。
私は女の子が好きだ。
男の子によく苛められているのも、原因の1つだと思う。
一瞬で私は目の前の女の子に心を奪われた。
「えっと、何をしてるの?」
「お兄ちゃんを待ってるの。」
「1人で?」
「うん……みんな、私と遊んでくれないから。」
あぁ、成る程。
この女の子も私と同じだ。
見た目を差別され、友達が出来ない。
「私も一緒に居て良い?」
「え?」
「私、ナマエ。あなたとお友達になりたい。」
手を差し出すと、女の子は嬉しそうに笑った。
「私はカレン。紅月カレンよ。」
カレンという女の子は、ブリタニア人と日本人のハーフだった。
見た目はほとんど、ブリタニア人の血を受け継いだらしい。
「綺麗な髪色。私、この色好きだよ。」
「ありがとう。ナマエの髪色も綺麗だよ。」
私達が仲良くなるのに、時間はかからなかった。
カレンから、沢山の事を教えてもらった。
優しい日本人や、兄の話。
私の知らない世界の話ばかりだ。