忘れられた人(ライ)
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神根島から戻り、翌日。
もう家にも学校にも行けないから、アジトに私の部屋を作った。
今はその部屋でのんびり過ごしている。
―コンコン―
「ナマエ、僕だ。ちょっと良いかな?」
「…ライ?」
扉を開ける。
ライはいつも無表情な事が多いのに、今日は笑っていた。
笑っているのに、寂しそうに見えた。
「どうした?」
「うん…さよならを言いに来たんだ。」
「さよなら?」
ライが中に入って、扉を閉めた。
入って良いって言ってないのに。
「僕の記憶が戻った事で、ギアスの力が戻った。」
「C.C.が言ってたね。」
「その力が、危ないんだ。だから、僕はこの黒の騎士団を離れることにした。」
「そう…何処に行くの?」
危険な力を、もし誰かに利用されたら困る。
必要があったら殺さなくてはいけない。
「眠るんだ。ずっと、永遠に。」
「……え?」
「僕は自分で死ぬことは出来ない。だから、永遠に眠る。」
眠る?
自分に、ギアスをかけるの?
「……」
「ナマエ、」
「もう少しで…」
「え?」
ライに背中を向ける。
「もう少しで、学園祭なんだよ。」
「うん。」
「お前にも、仕事があったんだよ。」
「うん…ごめん、出来そうにない。」
「クレープ、約束したのに。」
あぁ。
私、今この男を引き留めてる。
どうしてかな。
「クレープ、ごめん。約束したのに。」
「私が…今を生きれば良いって言ったのも、無意味だったんだね。」
「そんな事ない。」
「だって、今を捨てるんでしょ?」
「……」
眠る、なんて。
死ぬのと同じだ。
「僕は今がとても大切だ。優しい人に沢山出会って、好きな人も出来て。」
「……」
「でも、大切だからこそ僕は離れなくちゃいけない。」
「……」
「それくらい危険な力だ。」
ライは、もう決めたんだ。
私がどんなに言っても、無意味。
それなら、止める必要は無い。
「きっと、もう会うことは無いね。」
「うん。ナマエ、こっち向いて。」
「……」
振り返って、ライの顔を見る。
部屋に来たときは寂しそうだったのに、今は穏やかな笑顔を浮かべている。