忘れられた人(ライ)
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「大丈夫。」
ライの声だ。
敵に聞こえないように、私の耳元で小さく囁く。
「そのまま、大人しくしていて。」
「……」
小さく頷く。
私の頬がライの耳に当たったらしく、私の意志が理解出来たみたいだ。
フッと、笑った気配がした。
「誰だ!」
「貴様等、まさか黒の騎士団か!?」
懐中電灯をこちらに向けられる寸前で、ライが私の視界を手で塞ぐ。
―パァンッ―
「ぐっ!!」
―パァンッ―
「うわぁぁっ!!」
銃を、使ったのか。
だから懐中電灯がつけられるのを待った。
確実に相手の居場所が分かるから。
でも、どうしてギアスを使わない?
使えたはずだ。
例え明かりが無くても、コイツは声さえ聞こえれば――…
「……」
私だ。
私が居たから、使わなかったのか。
私にも聞こえてしまうから。
「お待たせ。見える?」
「…うん。」
敵は死に、辺りはまた暗闇に戻った。
でも私の目はもうその暗さに慣れていたから、見えるけど。
ライが私の視界を塞いでいたからだ。
「ごめん。さっきの懐中電灯で僕はちょっと目が慣れないんだ。チカチカしてしまう。爆弾を設置するのは、任せても良いかな?」
「…わかった。」
不快だけど。
私助けられたし。
『こちらの制圧は完了。』
丁度、ゼロから連絡が入った。
「了解。」
私が爆弾を設置し、後ろをライが警戒する。
今頃カレンとゼロは必要な武器を運び出しているだろう。
「ライ。」
「何だい。」
「さっきはありがとう。助かった。」
「どう致しまして。」
爆弾を1つ1つ、設置する。
「でも、私は枢木スザクに特別な感情は無い。そこは理解しろ。」
「へぇ。じゃあ、僕にもスザクぐらい優しく接してよ。」
「違いが分からない。」
「スザクには、笑って話してるだろ?」
そんなの、分からない。
自分の表情なんて見えないし、一々意識してないし。
「終わった。ゼロと合流しよう。」
「うん、行こうか。」
ゼロとカレンと合流し、車に乗った。
爆弾のスイッチを押す。
数十秒経ち、工場は跡形もなく爆破した。