忘れられた人(ライ)
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「離せ!苦しいっ」
「あ、ごめん。」
息を整える。
まさかコイツ、目潰しの事恨んでわざとやったんじゃないの?
「ナマエは日本人じゃないんだろ?」
「私は日本人だ。」
「でもナマエ・ミョウジって名前も、この学園に普通に通える事だって…」
「私の両親は確かにブリタニア人だ。でも、私が生まれたのは此処が日本だった時。つまり、書類の国籍上私は日本人になる。」
「なるほど、ね…」
きっと、カレンと直人に出会っていなかったら私は日本人と名乗らなかっただろうけど。
「ナマエは面白いな。」
「…バカにしてんの?」
「そうじゃない。」
ライが笑った。
「ナマエには、ブリタニア人として生きる選択もあったんだろ?それを捨てて、敢えて日本人を選んだ。」
「それはお前も同じよ。」
「僕?」
ライには、アッシュフォード学園に来て人生の選択肢が沢山あった。
「まず、ナイトメアの操縦が出来るなら軍人でも良かった。」
「…まぁ、嫌だけどね。」
「ミレイ会長の好意に甘えて、普通の学生でも良かったんだ。」
「……」
「わざわざ犯罪者になる方が理解出来ない。」
ルルーシュみたいに、目的があった訳じゃないのに。
私みたいに、好きな人がテロリストだったわけじゃないのに。
「それは無理だ。僕は普通に生きる事は出来ない。」
「ギアスがあるから?」
「そうだ。ギアスの力は人を孤独にする。人とは異なる時間を生きることになる。」
異なる時間。
つまり、普通には生きれない。
しかもライは記憶喪失。
ギアスがいつ暴走してもおかしくないって言っていた。
「私がルルーシュと手を組んだ理由はね。」
「うん。」
「生きたかったの。」
「え?」
私は腰の高さの塀に寄りかかった。
ライも側に来る。
「大切な人を守りたいとか、好きな人の夢を叶えたいとか…色々あったよ。でも、決定的なのは生きること。」
「どういう意味だ?」
「私は生きた事が無かった。死んでるのと同じ。私が死んでも、世界の何処にも影響しない。」
だから、ルルーシュの言葉に心が動いたんだ。
「ルルーシュは私を生かすと言った。実際、私は黒の騎士団に入って、生きてると思えたんだ。」
私を生かしたのは、ルルーシュだけだ。