『ナマエちゃんが飲んだお茶はね、効果はだいたい１日程度らしいの。』

「良かった…何か副作用はありますか？」

『特に心配は無いみたい。』

「わかりました。ありがとうございます、セシルさん。」

『こっちこそ、ごめんなさいね。私がロイドさんをしっかり見張っていればこんな事にはならなかったのに…』

「いえ、セシルさんのせいではありません。」


良かった。
ナマエの体に悪影響が無くて。



『ナマエちゃん、今はどうしてるの？』

「疲れて寝ています。」

『そう。じゃあ、起きたら謝っておいてくれるかしら。』

「わかりました。」



電話を切り、眠るナマエの横で寝転がる。
ナマエの小さな体を抱きしめると、ナマエも僕に抱きついた。
起きているのかと思ったけど、ナマエは寝ていた。
寝ぼけたのか、本能なのか…
分からないけど、可愛い。



「ナマエ。明日には戻るってさ。良かったね。」

「んぅ…」








１時間程経っただろうか。
そろそろ起こしておかないと、夜に眠れなくなるかもしれない。


「ナマエ。起きて。」

「うー…」

「昼寝は終わり。」

「すざく、おはよ。」

「今はもう15時だよ。」

「あーにゃは？」

「ナマエが寝たから帰った。」


僕の言葉に、ナマエは少しショックを受けたらしい。


「あーにゃ…せっかくあえたのに。」

「また今度ね。プリン食べる？」

「たべる。」


ナマエはベッドから飛び降り、冷蔵庫の方へ走っていく。


「ナマエ…っ」



マズい。
今のナマエをあまり台所へは入れたくない。
台所は危険だ。
それに、今のナマエじゃ冷蔵庫は開けられない。



「ナマエ、待って。僕が出すから。」

「ばかにしないで。とどく！」

「いや、全然届いてないよ。」

「とどく！」



困った。
ナマエが冷蔵庫によじ登ろうとしている。

ナマエの喋り方から何となく想像はしていたけど、性格まで幼くなっている。
いつも以上に意地っ張りだ。



「僕が取るよ。」

「やだ！」

「何で。」

「じぶんで、やるの！」


普段から負けず嫌いな頑固だとは思っていたけど、それは幼い頃からのものだったのか。